宮兄弟が幼馴染だとこうなる。【ハイキュー!!】

俺らと幼馴染。 ページ3

俺らには幼馴染がいる。

物心ついた時から一緒にいて、今はバレー部のマネージャーや。

アホで、おしゃべりで、この前みたいに黒い顔で脅してきたりもするゴリラみたいな奴。


「なぁ、侑」

「ん？」


購買から帰ってきた銀が不安気な顔をしている。


「さっきAが3年生数人に呼び出されとったんやけど…なんか嫌な雰囲気でな。アイツ、大丈夫やんな？」

「…男か？女か？」

「女やったで」

「それ俺もさっき見たけどさ、あの先輩達、侑と治によく言い寄ってた人達なんじゃないの？」


後から来た角名にも言われる。


「…っ、探してくるわ!!」


ガタッと席を立ち教室を飛び出した。


自分で言うのもアレやけど、俺ら双子は正直モテる。今はバレーに集中したいから告白はことごとく断っとる。


そのせいかもしれん。幼馴染のAに八つ当たりしようとする輩が少なからずいるんや。


とりあえず人気が無さそうな所を探し回る。


「調子に乗んなやブス!!」


女子の声がしたと思えば、バシャッと液体が何かに当たる音がした。

隠れながらチラリと様子を見ると、銀と角名が言っていた3年の先輩方と頭からずぶ濡れのA。


「あの豚共…!!」


言葉では表しきれない程の怒りが湧き上がってくる。

一発殴ってやろうかと思っていた矢先、


「おいおい…何のつもりやねんこれ」


Aが聞いたこともないくらいの低い声で目の前の先輩方を睨みつける。


「…っ何よ！」

「今かけてきたジュース…どこで買ったんですかコラ！意外に美味しんやけど!!」

「ハァ！？」

「何でやねん!!」


怒ってるかと思ったら予想外の展開になって思わずツッコミを入れてしもうた俺。


「あ、侑！？」


隠れてたのもバレた。あれやろ、こーゆーのってカッコよく登場するもんなんやろ？

…けどまぁ、


「俺の幼馴染に何してんねん」

「これは…！違う！違うの侑!!」


豚共のうちの1匹が俺の肩に触れようとしてくる。


「何がちゃうねん。てか、呼び捨てで呼ぶなや気色悪い。さっさと消えろ豚共」

「あと…今後Aに手ェ出したら潰すで」

「…っ！」


泣きながら走り去って行く豚共。


「侑、ありがと」

「…おん」

珍しくふわりと微笑むAに少しだけドキッとする。


「でもちょっと言い過ぎやんな」

「アレくらい言わな懲りんで」


アホで、おしゃべりで、黒い顔で脅してきたりもするゴリラみたいな奴やけど、



お前は俺らが守らなあかんねん。

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