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ページ33

『…わか、りました。でもお見合いの間までですから。それまでに気持ちの整理をつけさせてください。乱歩さんの、返事も』



「…ふふ、それでいい。じゃあ今日から君と僕は恋人同士だね、?」
『仮の仮で恋人ですからね!!!』



乱歩さんはまた私の手を何度か撫でて数回口付けを落とした。当てられる目線が熱くて熱くて溶けそうになる。
ぐるぐる渦巻く瞳が異様に熱を帯びていて、私にも移ってしまいそうだ。


「可愛い。好き。僕のだから無闇に他の人に触らせたりしちゃ駄目だよ」
『…わか、ってますよ』

















嗚呼、之はストレスだろうか。心労が溜まりすぎたかな。







『……お、はよう、ございます。』


「Aさん……?具合悪いんですか??」




重苦しく扉を開けた私を見兼ねて賢治くんが寄ってくる。
多少目の前が歪むのと頭が痛いくらいで大したような容態ではないのだけど…


『大丈夫だよ、賢治くん。』
「でも、顔色良くないですよ!…あ〜…朝から与謝野女医は病院の方のお手伝いしに行ってまして、」


フラフラ机まで歩く私を心配そうに見る賢治くん。

ソファに寝転がっていた太宰さんまでもが私に声をかけてきた。



「与謝野女医に見て頂く以前に明らかに体調が優れなさそうだけれどねぇ。帰った方がいいと思うよAちゃん」
「そう思いますよ!フラフラしてますし」


自分の席に腰をかけて息を整える。確かに帰れるのであれば帰りたい。けれども昨日の夜小林さんから来た連絡の相談を乱歩さんにしたいし、また家に戻るとなるとそれなりの体力を使う。


面倒臭い。




机にうつ伏せになる私に太宰さんがやれやれ、と云った。


「賢治くん。乱歩さんって何処にいらっしゃるかわかるかい?」
「乱歩さんですか?うーん…確か殺人事件の応援に行っていたような…」
『なんで、乱歩さん、?』


「ほらほらー病人は机じゃなくてこっちじゃないと、賢治くん掛け布団持ってきてもらっても良いかい?」
「わかりました!」

太宰さんは軽々しく私を抱き上げた。


急な浮遊感に驚いて外套を強く掴むと鼻で笑われた。腹立つ。

身体の倦怠感に負けて瞳を閉じる。身体がソファに沈む感覚が気持ち良くて一気に夢の世界へと落ちた。






「全く。これじゃあ私達が乱歩さんに怒られてしまうのだけどねぇ」

「そうですね、僕が家まで送り届けましょうか…」
「私はそれも怖いのだよ、家っていうのがね」

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- 1話の太宰さんの下の方から潰された蛙の様な声がするで笑ってしまいました、笑 (2023年4月22日 14時) (レス) @page2 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。完結おめでとうございます!私は正直なところ今まであまり乱歩さんを意識したことがなかったのですが、この作品で沼にドボンしました……有難うございます!お疲れさまでした。 (2023年4月9日 23時) (レス) @page42 id: d368e0b18f (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - 梅原さん» わわ、嬉しいです!一緒に乱歩さんの沼にはまり落ちましょう……!! (2023年2月20日 19時) (レス) id: 05f2309d58 (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - モンブランさん» わー!嬉しい!ありがとうございます💕なかなか喋らせるのに苦戦してます…笑笑 (2023年2月20日 19時) (レス) id: 05f2309d58 (このIDを非表示/違反報告)
梅原(プロフ) - アニメ見て乱歩さんいいなと思っていた時にこの小説に出会いました。久々に面白いものが読めてテンションあがりました。。。 (2023年2月20日 19時) (レス) @page32 id: ecb93650e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小榛 | 作成日時:2023年1月8日 11時

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