夏の続き (ページ16) - 小説/夢小説

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episode16 ページ16

一人、ベッドの上で蹲る

【A…ｯ】

最後、私を呼んだ一也の声が離れない

『……ごめん』

ごめん……一也

ごめんね…琴羽

こんなことでしか琴羽を守れない

こんなにも大事な人を傷つけた

そうしないと、かわいい後輩一人守れない

無力な自分に腹が立つ

一也の隣で天才マネージャーでいると決めたのはいつだったか

そのためなら何だってする覚悟を決めたのはいつだったか

『弱虫……』

意気地無し

『裏切り者…』

溢れた涙が止まらない

ズキズキと胸が痛い

あぁ…泣きたいのは一也なのに

ほんとに痛かったのは琴羽なのに

ふと目に入ったノート

よろよろと立ち上がり、力の入らない手でゆっくり開く

びっしり書かれたページ

《花よりも花を咲かせる土になれ》

表紙裏に大きく書かれた言葉

もう何冊目になるかわからないくらいに溜まったノート

その全てに記されている言葉

とある名将の言葉

野球を諦め、一也を支えるという覚悟を持たせてくれた言葉

『ばか…だなぁ』

ぽたぽたと落ちる涙で字が滲む

押しつぶされそうな後悔と罪悪感

けど、大丈夫だから……

ちゃんと、支えるから

ちゃんと、また明日からも笑うから

だから一也

『あんたは何も知らず…』

ただ真っ直ぐに

『夢を追いかけて』

……………
花じゃない花を咲かせる土になれ

めちゃくちゃ好きな言葉です

めちゃくちゃ好きな監督さんでした

こんな人だから強いチームをつくれるんだなって思いますね