【成宮】極楽蝶花【鳴】 (ページ7)

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「彼女･･････? 」鼻で笑ったカルロスは
袋に入ったアンパンを右手に取った。

「別に誰でも良い訳じゃないよ?
告白とかならされてるし･･････、この間もさ ―― 」

いつもなら自慢げに話すのに、興味無さげに
ブラスバンド部の子に告白されたと、低く自慢をした。

「じゃぁ、それで良いじゃん。
その子と付き合いなよ」

白河も手を伸ばし、焼きそばパンに手をかけた。

「別に誰でも良い訳じゃないよぉ～･･････
"彼女" が良いの! 話した事もないからさ? 解んないけど」

「それ誰」白河とカルロスが一斉に眼球を輝かせた。

「･･････誰? 誰だろう? 名前もしらないよ。
他校生だし女子校だしさ?
接点なんて、まるで無いでしょ? 」

よく見に来てくれる、近所の女子高生。

茶髪の "あの子" が気になる事を
鳴は羞恥に頬を染め、大人しく打ち明けた。

「あ～れ? それってぇ～･･････
よっさんの元カノじゃねぇの?
振った癖に見に来るって言ってた～･･････あの･･････」

よっさん。夏で引退をした三年の吉沢秀明の事だ。

「え? 元カノ? 振ったってどっちが? 」

膝の裏で椅子を引き
机に両手を着いて立ち上がった鳴は
窓際に寄し掛かるカルロスに顔を近付けた。

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