【成宮】極楽蝶花【鳴】 (ページ6)

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鳴×カルロス×白河ページ6

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数日後

木製の生徒椅子に座り
窓の外をつまらなそうに眺める鳴に、声を掛けたのは
同じ学年で、同じ野球部のカルロスだった。

「窓の外に何かあんの? それとも、誰かいんの? 」

「･･････何もないし誰も居ないよ」

「じゃぁ、そんな食い入る様に見なくても･･････」

そう言ったカルロスは
茶色い紙袋を、鳴の机の上にひっくり返した。

紙袋から出てきたのは、大量のパン。

それは菓子パンだったり、調理パンだったり。
選りすぐりだった。

鳴は横目でも、それを眺める様子もなく
ただ窓の外をひたすら見つめる。

その行動は今日に始まった事ではなく、数日前からだった。

「確かに負けたのは事実だし、それは悔しいけどさ
"夏" が残ってんでしょ。夏が･･････」

控え目に言ったのは
同じく野球部で、鳴と同学年の白河。

白河は、鳴の前の席の椅子を引き
鳴に向いて座った。そして窓を眺める。

曇り空の今日は、窓に薄く鳴の表情を映し出していた。

「わかってるよ。メインは夏でしょ?
たださ、負けたのは俺のせいって分かってるけどね
やっておきたい事があるの。何馬鹿な事言ってんだって
言われちゃうかも知れないけど･･････
"彼女" が "欲しい" 」

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