【成宮】極楽蝶花【鳴】 (ページ16)

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「あ、あの･･････さぁ･･････」

顎を引き、上目遣いで吉沢を見上げる鳴。
もう眼孔は鋭くなく、申し訳なさそうに口を開いた。

「あの人、よっさんの彼女なの? 」

そうだと言われるのは辛い。
しかし、知っておくべきだと思ったのだ。

何故鳴に、そんな事を告げなければならないのか。

そんな想いが吉沢の顔を歪ませる。

平井は、そんな吉沢の横顔を心配そうに眺めた。

「彼女なの? 彼女じゃないの? ねぇ? どっち? 」

言葉で詰め寄る鳴と、怪訝そうに顔を歪める吉沢。

「鳴、辞めときな」不穏な二人に割って入ったのは
平井だった。

「何で! だって! ･･････」

「成宮ぁ･･････」鳴の言葉を遮ったのは吉沢。
吉沢は不機嫌そうに鼻息を荒く吐いた。

「な、何」一歩引く鳴と

「アイツは俺んだからよ、手ぇ出すんじゃねぇぞ」
勝手に宣戦布告する吉沢。

どうやら吉沢は鳴の想いに気付いたらしい。

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