61:何か変な約束しました ページ25
暫くすると国木田の電話が鳴った。
国木田は電話に出る。相手は谷崎だった。
「これから潜入します」
「様子は?」
「湖の底みたいに静かです。
それどころか人の気配ひとつ__」
谷崎が何かに気付いたように言葉を止めた。
「……やられた。先手を打たれました!」
「おい、如何した」
国木田の声に焦りが混じる。
「口封じに__全員殺されています!」
「___!芥川だ……糞っ」
「どうすンだい?唯一の手掛かりが」
与謝野が国木田に声を掛ける。
その間に福沢はスタスタと歩き、乱歩の方へ向かった。
「乱歩。出番だ」
福沢は机上に写真をパサと置いた。
乱歩はそれを嫌そうに見つめ、
「……やんないと駄目?」
と言った。
「乱歩さん、ここはどうか……」
「乱歩。若し恙なく新人を連れ戻せたら」
「特別賞与(ボーナス)?昇進?
結構ですよ。どうせ……」
「褒めてやる」
乱歩はその言葉で一瞬固まった。
「そ__そこまで云われちゃしょーがないなぁー!」
『おー』
パチパチと拍手をするA。
その表情からは、何の感情も読み取れなかった。
「Aにも後で何かして貰うからね!」
『アハハ じゃあほどほどにお願いしますね』
乱歩は懐の黒縁の眼鏡を掛け、能力を発動させた。
「……敦君が今いる場所は__ここだ」
それと同時に乱歩の指が地図の上に置かれた。
その場所は____
「「___海!?」」
「速度は東南東に20節(ノット)。
公海へ向け進んで居る。死んではいない。
今はね」
国木田が何かに気付いた。
『ってことは……船ですね』
「輸送先は外国(とつくに)か」
「マズい……国外に運ばれたら手の出しようがない」
「港に社の小型高速艇が有る」
『社長さん………』
ゴソと福沢が出したのは一つの鍵。
「今出せば間に合う」
福沢は鍵を指で飛ばし、国木田はそれを掴んだ。
走ろうとする国木田をAが引き留めた。
62:人を信じるとは?→←60:お兄さんを誘拐した人を、私は許しません
218人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
♪音姫♪(プロフ) - 霧神廉さん» リクエストありがとうございます。あまり書いた事の無いキャラですが頑張ります! (2018年5月1日 11時) (レス) id: 28f218a5c0 (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - とっても面白いです! リクエストで夢主ちゃんがモンゴメリちゃんと夢野久作と仲良くなる展開にしていただいでも宜しいでしょうか。ご検討、御願いします。 (2018年4月30日 22時) (レス) id: cff83fd718 (このIDを非表示/違反報告)
♪音姫♪(プロフ) - REIYAさん» コメントありがとうございます。これからも更新頑張ります♪ (2018年4月29日 14時) (レス) id: 28f218a5c0 (このIDを非表示/違反報告)
REIYA(プロフ) - 何時もみてます。≪そ〜ら〜を〜飛んで((≫の所を見ると頭の中で≪飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで回って回って回って回る〜≫しか流れないのです。分からないですよね。すみません。此れからも頑張ってください (2018年4月28日 15時) (レス) id: bc3561fcd7 (このIDを非表示/違反報告)
♪音姫♪(プロフ) - 嘘の仮面@英さん» ありがとうございます。 リクエストの方は、番外編(?)として別の小説を作る予定なので、そちらに書かせていただきます。 これからもよろしくお願いします。 (2017年12月20日 17時) (レス) id: f26110437a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:♪音姫♪ | 作成日時:2017年6月22日 8時