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[-A’s side-]
「それじゃあ、話を聞かせてちょうだい。と、言いたいところだけど」
車の鍵を開けながら一度言葉を区切ったキールが、後部座席から大きな紙袋を取り上げ、ずいと俺に押し付ける。中には、着慣れた俺のスーツが一式納められていた。
「着替え、ですか」
「ええ。流石にその格好は目立ちすぎるから、せめて上着だけでも着替えてくれるかしら」
確かに、全身を警察官の制服に身を包んでいる今の俺は嫌でも人の目を引く。特徴的な薄水色のシャツとベスト、それから頭にのせた帽子の存在は特に、たとえ車の中にいたとしても道行く人の注目を集めてしまうだろう。
幸いズボンの方は濃紺一色の一般的な意匠だったから、上半身さえキールが持ってきてくれたスーツに着替えてしまえば、さほど気にならない程度に落ち着くと信じたい。
いくら人通りがないとはいえ、公共の道端で下まで脱いで着替えたくはなかった。
「ありがとうございます、キール。持ってきていただけて助かりました」
「どういたしまして。と言っても、用意したのはジンよ。先にウォッカに頼んで、自分の部屋から持ってこさせていたみたい。だから、私はただの運び屋をしただけ」
キールの言葉に、なるほど…と俺は紙袋の中に目を落とす。他の誰のものでもない俺の服が入っていたのはつまり、ジンとウォッカのおかげだったというわけだ。
組織の拠点にあるジンの部屋には、ジンのものばかりでなく俺の服も数着常備してあるから、これはそのうちのどれか一着を引き抜いてきたものに違いない。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - チャパさん» 嬉しすぎるお言葉、ありがとうございます！！マイペース更新にも関わらず追いかけてくださっていること、本当に嬉しいです。これからもお気の向く限り、男主の人生にお付き合いいただけますと幸いです( * ･ᴗ･ ) (2023年2月26日 9時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
チャパ - 沢山の作品の中で作者様のジンが1番好きです。飽きやすいので見なくなる作品は多々あるのですが、ずっと飽きることなく読ませてもらってます。前々から思っていたのですがふと好きだなーという感情がわいてきたのでコメントさせていただきました。長々とすいません。 (2023年2月23日 21時) (レス) @page38 id: b567095a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2022年6月19日 21時
