第101話 Damage ページ5
*
取り調べで見た事を正直に答える。
日頃の行いのお陰か、はたまた他の証言の裏が取れたのか。
思った以上に早く出れたと思う。
警察署から出れた頃には太陽が登りきっていた。
そこにはおじいちゃんが迎えに来てくれていた。
貴「おじいちゃん、ごめんね」
爺「Aが謝る事は何もない」
貴「…ウン、ありがと」
爺「さて、ワシは先に帰る」
貴「え?」
一緒に帰るんじゃないの?とおじいちゃんを見ると、それを予想していたかのように顔を動かしてある方向を指す。
そこには最愛の人が立っていた。
貴「……み、つや?」
彼の名前を呼ぶと引かれるように走って抱き着いた。
大好きな優しい腕で壊れ物を扱うように包み込んでくれた。
三「…マイキーとドラケンに聞いた
一緒にいてやれなくてごめん」
貴「……そんな事ない」
三「辛かったろ」
貴「…うんッ……!」
三「おー、やっと泣いたな
泣ける時にいっぱい泣いとけ」
ポロポロと涙が零れて止まらない。
今まで我慢していたものが全部溢れ出る。
落ち着かせるように私の頭を撫でてくれる三ツ谷。
エマもイザナもいなくなってしまった。一夜にして兄妹を亡くしたダメージは思っていた以上に重く深く私に突き刺さっているらしい。
三ツ谷は数十分泣き続けていた私に何も言わずただ寄り添ってくれていた。
私が泣き終わる頃には三ツ谷の服は私の涙でびしょびしょに濡れてしまっていた。謝ると乾くから大丈夫と笑って許してくれた。
貴「……ね、三ツ谷」
三「ん?」
貴「私三ツ谷いないと生きていけないかも」
三「ふはっ、いいじゃん
オレはこれからもずっと一緒のつもりなんだケド…
Aは違ぇの?」
貴「…違わないデス……」
三「じゃあそのままでいいだろ?
家まで送ってく」
貴「ん、ありがと…」
三ツ谷に手を握られてゆっくり歩いて帰る。
警察に来るからかバイクには乗って来なかったらしい。
歩きながら色々聞いた。鶴蝶は助かって横浜病院に入院していて、稀咲はトラックに轢かれて死亡したという。
東卍と天竺の抗争は"関東事変"と呼ばれる事になる。
逮捕者5名、死者3名を出す凄惨な結果で幕を閉じた。
1番は
握られている三ツ谷の手は温かかった。
*
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てる。 - 初コメ失礼しました!最初は恋愛系かな??と思っていて読んでいたらバリバリの感動系で深夜に声を上げて泣いてしまいました(T ^ T) (2023年4月11日 0時) (レス) @page3 id: 01aa01ae14 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 更新楽しみに待ってます。泣 (2022年11月20日 22時) (レス) @page31 id: e007552609 (このIDを非表示/違反報告)
はむはむ(プロフ) - 更新楽しみにしております。 (2022年11月16日 12時) (レス) @page31 id: 9534e4617e (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐 - この小説大好きですっ!!もうめちゃくちゃ感動できます!!更新楽しみにしてまーす! (2022年5月25日 19時) (レス) @page31 id: 8d5c2ab10a (このIDを非表示/違反報告)
no_(プロフ) - この作品がとても大好きです。更新されるまで待ってます。 (2022年5月15日 17時) (レス) id: c80cd65ba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2021年9月25日 18時