第100話 Good natured ページ4
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次に目を向けるのはイザナを撃ち、腰を抜かしたままの稀咲だ。
病院では黒い感情が私を飲み込もうとしていたが、今はそれを飼い慣らしたかのように冷静でいた。ただ無心で兄妹を殺した人間を見ていた。
万「テメェだけは許さねぇぞ、稀咲!!」
これから稀咲をどうするかは分からない。
万次郎は私の手を離して前に進もうとした。
だがそれは1台のバイクによって阻まれる。
半「稀咲ぃぃ!ゲーーーット!!!」
半間がバイクに乗ったまま稀咲を拾って走り逃げて行く。
それをここにいる全員が唖然と見ていた。
そんな中もう1台の排気音が響く。
ド「タケミっち!!乗れ!!追うぞ!!」
タ「ドラケン君!!」
貴「ヒナちゃんの事は私と万次郎に任せて!」
万「オマエはやるべき事をやれ!!」
タ「はい!」
タケミっちがドラケンの後ろに乗り、走り抜けて行く。
未来で何があったかは知らない。
けどタケミっちはすべき事は稀咲を止める事なはずだ。
2人を見送ると後ろからとんでもない報せが聞こえる。
蘭「……鶴蝶?オマエ、息してねぇ?」
竜「は?兄貴それマジ?」
貴「……失礼しても?」
鶴蝶の口元に耳を近づけて胸の動き見ると確かに微かだが息をしていた。
着ていた上着を脱ぎ身体に強く縛り付けガーゼを傷口に当てて止血をする。
貴「もしかしたら助かるかもしれない…」
万「……A、残る気か?」
貴「万次郎はドラケンとタケミっち追って
ヒナちゃんの事任せた」
万「…わかった
絶対に帰って来い」
貴「当たり前」
バブの音が遠くに鳴り響いて消える。
この場に残ったのは天竺幹部5人と私の計6人。
静かな時間がゆっくりと流れる。
貴「……兄妹じゃないなんて思ったこと1度も無かったのになぁ…」
竜「…オレもそんなん考えたことない」
蘭「……ないよ」
貴「…また会えたらイザナの話聞かせてほしい
あと、兄弟の話も」
蘭「会えたら、な」
数分後、遠くで鳴るサイレンが近づいて来る。
あっという間に埠頭は赤いランプで埋め尽くされた。
イザナは布で覆われ、鶴蝶は救急車に運ばれる。
私は警察に保護という形で手錠はかけられずパトカーに初めて乗る事になった。
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てる。 - 初コメ失礼しました!最初は恋愛系かな??と思っていて読んでいたらバリバリの感動系で深夜に声を上げて泣いてしまいました(T ^ T) (2023年4月11日 0時) (レス) @page3 id: 01aa01ae14 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 更新楽しみに待ってます。泣 (2022年11月20日 22時) (レス) @page31 id: e007552609 (このIDを非表示/違反報告)
はむはむ(プロフ) - 更新楽しみにしております。 (2022年11月16日 12時) (レス) @page31 id: 9534e4617e (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐 - この小説大好きですっ!!もうめちゃくちゃ感動できます!!更新楽しみにしてまーす! (2022年5月25日 19時) (レス) @page31 id: 8d5c2ab10a (このIDを非表示/違反報告)
no_(プロフ) - この作品がとても大好きです。更新されるまで待ってます。 (2022年5月15日 17時) (レス) id: c80cd65ba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2021年9月25日 18時