【戦国BASARA】月夜に揺れる、忍の心＿＿＿。【Part３】

【六十一話】東軍の人 ページ2

泣き疲れ、木にもたれかかった私はいろんな事を考えていた。

この先、どうしようか。いっそ、自ら刀を刺して死ぬか。


………いや、姫花に復讐してから死んだ方がいい。

あの子に、あの女に絶対復讐だ。憎悪だけが湧いてくる。

だがそれでいい。そのやり方の方が、私はいいんだ。



？「お前……確か武田軍の……？」

A「家康、さん……？」

？「………！！！！！」



あ、本多忠勝さんもいる。しかも家康さんを守る形になってる。

ま、そりゃそうだよね。私は西軍だもん。

すると、家康さんが。



家康「おいおい忠勝、Aは今攻撃してこないから守らなくてもいいぞ。」

忠勝「………！！」



それを承知したのか、忠勝さんが後ろへ退いた。

てか失礼だな家康さん。私だって仕事だったら暗殺でもするぞ？(笑)

このような言葉を遠回しに言ったら。



家康「………それは無理だ。今のAの目は、失望に溢れてる。」

A「……うん、正解。私ね、もう何も、信じたく、ないんだ……ッ！」

家康「な……ッ！？」

忠勝「………！？！？」



あ、そっか。前の私との違いが、今分かったんだ。

もっと早く、家康さんがきたら良かったのにね。

ごめんね。家康さん、遅かったね。もう手遅れかもしれないよ。

手遅れなのに、家康さんは。



家康「……話はワシの城で聞こう。行くぞ、A。」

A「………家康さん。今、貴方が何をしてるか分かってるの…？私は、西軍だよ…？」

家康「そんな事より、今はAの体の身が大事だろう。」



すると、家康さんは私の体を軽々しく姫抱きして忠勝さんに乗った。

なんで、この人は私を疑わない…？

なんで、この人は私を助けようとする…？

なんで、この人はこんなにも安心できる…？

人の暖かさは、元就以外に誰もいなかったから。

久しぶりに安心できたんだ。









そう思い、寝てしまった。

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