私とテニス部 (ページ23)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:96,286 hit

21 ページ23

部長ってことは…
この人がテニス部の
部長さんってことだよね？

「あの、えっと…」

幸「俺は3年の幸村精市。
テニス部の部長をやってる。
よろしく、A先生」

「はい！よろしくお願いします」

私は幸村くんが差し出した手を
握りぶんぶんと振った。

強豪校の部長さんっていうから
もっと怖そうな人かと思ったけど、
優しそうな人でよかった。

切「優しそうな人でよかった…

って思っているところ悪いんスけど、
こう見えて幸村部長は魔王様ッスよ」

「え？魔王様…？」

どういう意味？

こんなに優しそうなオーラを
出しているのに？

幸「そうか、そうだったね。
赤也は練習が大好きだから
今日からいつもの5倍…
いや、10倍ぐらい増やして
あげてもいいよ？」

そう幸村くんが切原くんに言うと、
一気に顔が真っ青に
なっていく切原くん。

切「遠慮します…」

「でも練習が好きなら、
せっかく幸村くんが
言ってくれてるんだし
やってみたらいいのに」

生徒の好きなものは、
ちゃんと伸ばしてあげないと！！

幸「ふふ。だそうだよ？赤也」

切「し、失礼しまーす！！」

それだけ言い、
切原くんは逃げるように保健室から
出て行ってしまった。

仁「お前さんのこと
気に入ったぜよ」

なんて仁王くんが
呟いていたなんて私は知らない。