First Love【宇髄天元】

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｢じゃあ、次は班に分かれてカレー作りなー｣




という先生の声に、私たちは｢はーい！｣と元気に答えそれぞれ班ごとに与えられた調理場へ向かう。




｢Aちゃん！行きましょうっ？｣

『うん！』




時も巡り、10月。
今日から待ちに待った自然教室。
小学生である私たちにとっては、修学旅行の次に大きな一大イベント。



私が同じ班になったのは、蜜璃ちゃんと不死川くん。
そして、宇髄だ。

宇髄と同じ班なんて、奇跡かと思った。

ずっとこの日を楽しみにしていた。





｢私、不死川くんと食材を切るわね！｣

『じゃあ私は宇髄とお米炊いておく！』




蜜璃ちゃんと話して、私はそのまま宇髄の元へと駆け寄る。




『宇髄、蜜璃ちゃんと不死川くんが野菜切ってくれるって言ってるから私たちはお米炊こう』

｢ああ｣



先生の元へ行き、人数分の米を貰って再び調理場へと戻る。
宇髄は料理、出来るのかな。
私はお米研ぐの慣れてるから平気だけど。




『お米研ぐ？』

｢いや…それは任せる｣

『ふふ、了解』




どうやらこの顔を見るあたり、出来ないらしい。
｢俺は火の係するから｣と言って腕まくりをしながら火を起こす準備をする宇髄もまた、かっこいい。

そのすぐ横で私はじゃぶじゃぶと水を注ぎ、慣れた手つきでお米を研いでいると不意にすっと宇髄が覗き込んできた。



…心臓がヒュっとなったのは言うまでもない。




『…う、宇髄？』

｢あぁいや、ごめん。手際良くてつい｣

『あ…そういうこと？びっくりした』



宇髄の視線はずっと感じるものの、気にせず研ぐことに全神経を注いだ。
そうしなければ私の心臓はどうにかなってしまいそうだったから。






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