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24.ライバルへ ページ24

二人掛けの席に案内されると、向かい側に座った黄瀬くんはおもむろにメニューを開く。メニューは一つしかないので、わたしも静かにテーブルに広がる冊子を覗き込んだ。...あぁ助けて距離が近い。

「うわぁ、結構重いのばっかっスね。Aっち大丈夫?」
「うん。自分、いま結構お腹空いてるから全然いけるよ。じゃあ、えーっと...これにする」
「え、どれ?......これ?」
「違う、その右。デザート付いてる、五百六十円のやつ」
「あー、これね!」

近すぎる距離によるこの動揺を、たわいのない会話をすることによって誤魔化すわたしとは対照的に、黄瀬くんは今の状況にどうってことなさそうな素振りを見せている。ちくしょう、ドキドキしてるのはわたしだけなのか。この天然タラシ!

「黄瀬くんはどれにするの?」
「えー...どうしよう。Aっち、決めるの早くない?」

迷うなー、と唸っている黄瀬くんに「女子かよ」と今年何度目かのツッコミを入れる。

それでも、かなり真剣に悩んでいるらしい。静かになった相手の顔をそっと窺うと、伏せられた長い睫毛の間から見える琥珀色の瞳に心臓が大きい音を立てた。こうしてみると、黄瀬くんはお世辞抜きで格好良いと思う。さすがモデルだ。しかも、性格までイケメンなんてずるい、不公平すぎる。

「あれ?Aっちが頼むやつ、ドリンク付いてるけど、どれにするんスか?...ほら、ここ!」

それからふいに視界に入ってきた、メニューを持つ大きな手に、昨日のことがフラッシュバックしてきて、恥ずかしさのあまり思わず目をギュッとつむった。

ーーー黄瀬くんの好きな人って誰なんだろう。やっぱり芸能関係とかの綺麗な人なのかな。その人とはこんな風に出掛けたことあるんだろうか。

「ーーーおーい、Aっち?」

次々に出てくる疑問に悶々としていれば、ふいに掴まれた手に驚いて目を開く。すると、不思議そうにこちらを見ている黄瀬くんと至近距離で目が合った。

「は、はい。なんでしょうか」
「もー!ボサッとしないでよ!だから、ドリンクどうする?」
「...レモンサワー」
「あのさぁ、よくメニュー見て!?ここ、ここの四角の中だけだから!」

ギャンギャン騒ぐ黄瀬くんを見ながら、でもきっと海常高校の一年生で一番一緒にいる友達はわたしだから、と。まだ見ぬ恋のライバルに宣戦布告をした。

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作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - たくっちさん» コメントありがとうございます〜!! そう言っていただけると嬉しいです! ほんとにありがとうございます!! (2015年12月29日 22時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
たくっち - めっちゃ良い話じゃないですか。感動しました!これからも感動するような作品よろしくお願いします。応援してます! (2015年12月27日 18時) (レス) id: 14821b434b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 朱いメダカ@ペンタブ禁止令さん» コメントありがとうございます^ ^ そういっていただけると、すごく嬉しいです〜!! ありがとうございます! (2015年5月12日 0時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
朱いメダカ@ペンタブ禁止令(プロフ) - 今日読み始めて一気に最後まで読んでしまいました!!凄くキュンキュンして泣けて…凄く面白かったです!! (2015年5月11日 23時) (レス) id: edbb06b586 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - にょんさん» コメントありがとうございます^ ^ ほんとですか!? すっごく嬉しいです、ありがとうございます!! (2015年5月7日 23時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2015年2月15日 11時

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