24.決定的な言葉 ページ24
嶺二side
「これ、Aちゃんが作曲したんですか？」
...自分の目が信じられなかった。
たまたま廊下で会った龍也先輩に見せられたのはAちゃんが作曲したという一枚の楽譜。
「これで二曲目だ。...全く、シャイニーも困ってたぜ」
「そ、んな...」
Aちゃんがこんな暗い曲書くわけない。みんなのこと笑顔にしたいって言って明るい曲ばっかり書いていたのに。...それにこの曲調。後輩ちゃんのにそっくりじゃない。
「ちょっとAちゃん！お願いだから待ってちょーだい！」
「...あ、龍也先輩」
先輩の言葉に驚きを隠せないでいると、後ろから聞こえてきたのは林檎先輩の焦るような声とずっと聞きたかった懐かしい声。...でもなんだか覇気のない声におそるおそる振り向いたとき、目に飛び込んできた久しぶりに見る彼女の姿に思わず目を見開いた。
.........Aちゃん？
もともと痩せている方だと思ってたけどここまでじゃなかった。...その異常なまでの痩せ方にゾッとした。
「どうしたんだよ、お前ら」
「どうしたのじゃないわよ！」
先輩たちが言い争ってる間、隣にいるAちゃんをチラリと横目で見ると、顔立ちが整っている分目立つその無表情が今は一段と冷たく見えて。
「...Aちゃん、何かあったの？」
おそるおそるぼくがそう聞くと、やっとこちらを向いてくれた。
「...別に何もないよ」
「そう、なんだ。それなら良かったよ！あはは...」
今までぼくたちに見せてくれていたものとは全く違うその貼り付けたような笑顔に無意識に顔が引きつってしまう。
なんか心配だし、もう一言くらい話しかけようかな、なんて口を開きかけた瞬間。
「...まぁ、くれぐれも足を引っ張るなよ」
「ちょっと龍也！」
「春歌みたいにとはまで言わねぇから、せめてちゃんと作曲しろ」
龍也先輩の言った言葉にその場にいた全員が一瞬で凍りついた。
龍也先輩のことだから、遠まわしにそんなに深く考えるなって言ってるつもりなのかもしれないけど。...更に言うと励ましてるつもりなのかもしれないけど。
「.......な、にそれ」
その冷たい声色とは反対に、横を向いたときに見えたAちゃんの悲しそうな顔にぼくは咄嗟に言葉が出てこなかった。
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ユリア(プロフ) - 環様、お話読ませていただきました！主人公と嶺ちゃんの関係性がどんどん変わっていってどうなるか分からず、ドキドキしました❤これからも応援してます(^▽^)/ (2023年3月20日 18時) (
レス) @page29 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 朝倉ひなさん» 朝倉ひなさん！ そうだったんですね......（ ; ; ） そんな言葉を言ってくれる人が身近にいるなんて羨ましいです！！（笑） 心のこもったあたたかいコメントありがとうございます^ ^ とても幸せな気持ちになりました！！ (2017年10月16日 22時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
朝倉ひな - だから、嶺ちゃんに、君が必要、と言われた夢主ちゃんは、そこに存在意義を感じただろうし、それが何よりも幸せだと思います。こんなにも共感でき、メッセージ性のある夢小説を読むのは久しぶりです。これからも頑張ってください！ (2017年10月16日 21時) (レス) id: 35a6a0831a (このIDを非表示/違反報告)
朝倉ひな - 泣けちゃいました。私もすごく似たような立場だったので。ずっと私は、必要とされていないと思ってたんです。でも、ある人に、顔とか性格とかも好きだけど、お前を好きになった理由の一番はお前だったから、と言われて、泣きそうになりました。 (2017年10月16日 21時) (レス) id: 35a6a0831a (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - コメントありがとうございます！ そして返信遅くなってすみません！ 私も努力家の女の子の方が応援したくなるし、素敵だなって思います、、！！ 今回は春ちゃんが悪者っぽくなってしまいましたが、次に機会があれば春ちゃんの良い場面も書いていけたらと思ってます！ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：環 | 作成日時：2014年4月25日 18時
