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183.好物 ページ33

「うまい!うまい!」

 列車内で弁当を食べていると

 鬼殺隊士に声をかけられた。

 そこには柱合会議の時の"鬼を連れた隊士"がいた。

「君はお館様の時の…」

「はい。竈門炭治郎です。

 こっちは同じ鬼殺隊の我妻善逸と嘴平伊之助です。」

「そうか。それで、その箱に入っているのが…」

「はい。妹の禰󠄀豆子です。」

「うむ!あの時の鬼だな。お館様がお認めになったこと。

 今は何も言うまい。」

 俺がそう言うと、少年は安心したように眉を下げた。

「ここに座るといい!」

 少年たちが座ると、俺はたくさん買っていた駅弁を

 彼らに渡した。

「食べるといい!」

「ありがとうございます!」

 うむ。良い食いっぷりだ!

「もうひとつどうだ?」

「い、いえ!もうお腹いっぱいです…!」


 緑の少年は口いっぱいにご飯をつめながら

 首を横に振った。


「煉獄さんは、よく食べるんですね!

 好物とかあるんですか?」


 好物か…

 それはあの日以来、俺にはひとつしかないのだ。

 できることならば、もう一度食べたい。

 お腹いっぱいに食べたいと思う、Aの作る…

「さつまいもの味噌汁だ!」

「良いですね!」


「うむ。」



 食事を終えると、

 猪頭少年が列車に興奮している様子だった。


「うほっ!うはっ!アハハ!スゲえ!主の中スゲえ!」

「割れるだろ、ガラス!少しは落ち着けよ!」

「君たちはどうしてここにいる?任務か?」

「鎹鴉からの伝達で"無限列車の被害が拡大した"

"現地にいる煉獄さんと合流するように"と命じられました。」


「うむ!そういうことか!承知した!」


「はい!それともうひとつ、
 
 煉獄さんに聞きたいことがあって。」


 溝口少年は"ヒノカミ神楽"について俺に問うてきたが、

 聞いたことのないものだった。

 何も教えてあげることができない。


 聞けば、溝口少年の刀は黒刀だと言う。

 黒刀の剣士が柱になったことを見たことはなく、

 ましてやどの系統を極めれば良いかも難しい。

 しかし、熱い心を持っている少年だ!

「俺の所で鍛えてあげよう!もう安心だ!」

「いや…いや!そしてどこを見てるんですか!」


 大丈夫だ!黒刀だろうが、みっちり鍛え上げよう!







 *「あの日以来」▼

 淡紅舞う【煉獄杏寿郎】第22話「さつまいもの味噌汁」

 

184.父の背中→←182.東雲の流れ星



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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 小鈴さん» 感想ありがとうございます!最後までお読みいただき光栄です。物語は読んでもらってこそ生きるものだと私は思うので、この作品を見つけてくださり、そして読んでくださったこと、本当にありがとうございます! (2022年11月15日 18時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
小鈴(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。途中からずっと、涙なしでは見られませんでした。この作品の主人公と煉獄さんに出会えて本当に良かったです! (2022年11月14日 22時) (レス) @page50 id: 97399e389e (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 最後までお付き合いいただき、感謝申し上げます。主人公に感情移入し、物語に入ってもらってこそ、この小説の醍醐味と思い作っていたので、大変光栄です!あたたかいコメントにいつも励まされておりました。ありがとうございました! (2022年7月16日 7時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 読了が遅くなりました。お疲れ様でした。長らく愉しませて頂きました。現し世でなくても、ハッピーエンドとは!こういう纏め方もあるのかと感心です。彼女の気持ちに入り込んでいたため、逢いたいけど早いよと涙しました。 (2022年7月15日 16時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!起承転結の「転」は恐らく読者様の予想を超えるものになってしまったかもしれません。しかし、美桜さんのように嬉しいお言葉をいただけると、作者として本当に幸せです♡最後まで読んでくださり、ありがとうございました! (2022年7月10日 15時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年6月12日 13時

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