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182.東雲の流れ星 ページ32

 

 俺が二度も…?



「おばあちゃん。」

「忘れもしません。そのお顔、羽織…

 私と…ふくの母親は、

 20年前あなたに助けていただきました。」


 20年前…それは俺ではない。

 その人は間違いなく…


「おばあちゃん、何言ってるの?」

 お婆さんはぽろぽろと涙を流していた。

「それは、きっと俺の父でしょう。

 俺は父を継いで鬼を狩っているのです。

 父と同じようにあなたをお守りできたこと、光栄です。」



 しばらくすると、隊士と隠がやってきた。


「炎柱!大丈夫ですか!」

「なに、今片付いたところだ。」

「ご苦労様でした。それで無限列車は…」

「今夜中に整備を整え、明日から運行再開とのことだ。」

「それは良かった。これで万事解決ですね。」

「それは性急すぎるな。

 40人以上喰った鬼が、この程度であろうはずがない。」

「では、切り裂き魔は我々の目を攪乱するための?」

「あるいはそうなのかもな。

 いずれにせよ、無限列車の鬼は別にいる。

 もっと強力な得体の知れない鬼がどこかに潜んでいる。」


 無限列車で感じ取ったあの気配…

 ただならぬものだった。間違いなく十二鬼月だろう。


「では、明日、無限列車に…」

「無論、乗り込む!もう今日だがな!」



 もうすぐ夜明けだ。

 海を映したような紺碧の空は果てしなく広く、遠い。


 

 俺は空に右手の小指をかざして、ぎゅっと握りしめた。



「これから任務に向かう。手強い鬼かもしれん。

 しかし、君との約束だからな。

 俺は悪鬼を滅殺するために前だけを向いて戦うと誓おう。」



「炎柱?どうかされたのですか?」


 隊士が不思議そうに俺を見つめている。

 その時、頭上の東雲の空に星がひとつこぼれ落ちた。



「"ゆびきりげんまん"だ!」




 さあ、行こう。





 無限列車へ。








 その日の夕刻、俺は無限列車へと乗り込んだ。

 窓には夕陽が差し込んで、車内は橙色に染まる。

 
 列車は人々を乗せてどこまでも進んでいく。

 どこまでも、どこまでも。




 次第に日は落ちてあたりは暗闇に包まれた。

 俺は弁当売りの二人からいただいた弁当を手に取ると、

 手を合わせる。


「では、ありがたくいただこう!」


 箸を口に運んで、心のこもったご飯をゆっくり味わう。

 これはなんとも…


「うまい!!!」

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 小鈴さん» 感想ありがとうございます!最後までお読みいただき光栄です。物語は読んでもらってこそ生きるものだと私は思うので、この作品を見つけてくださり、そして読んでくださったこと、本当にありがとうございます! (11月15日 18時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
小鈴(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。途中からずっと、涙なしでは見られませんでした。この作品の主人公と煉獄さんに出会えて本当に良かったです! (11月14日 22時) (レス) @page50 id: 97399e389e (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 最後までお付き合いいただき、感謝申し上げます。主人公に感情移入し、物語に入ってもらってこそ、この小説の醍醐味と思い作っていたので、大変光栄です!あたたかいコメントにいつも励まされておりました。ありがとうございました! (7月16日 7時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 読了が遅くなりました。お疲れ様でした。長らく愉しませて頂きました。現し世でなくても、ハッピーエンドとは!こういう纏め方もあるのかと感心です。彼女の気持ちに入り込んでいたため、逢いたいけど早いよと涙しました。 (7月15日 16時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!起承転結の「転」は恐らく読者様の予想を超えるものになってしまったかもしれません。しかし、美桜さんのように嬉しいお言葉をいただけると、作者として本当に幸せです♡最後まで読んでくださり、ありがとうございました! (7月10日 15時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年6月12日 13時

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