14 ページ14
________これは、
ある男の昔話である________
「……もう嫌だ」
人通りが少ない
夕方の道に、少年がひとり。
足元を見ながら拳を握りしめる
外見からして、年は7つくらいだろうか
「……なんで…
………母さん…」
小さな身体からは想像も出来ないような、
重い重い言葉をポツリポツリと吐いていく
「……うっ……ぅ……」
足元にいくつもシミが出来ていく
大きな目からは
ボロボロと涙が止まらない
「……っ…何も…
出来ないの…っ?」
こんな姿誰にも見せたくない
自分の泣いている姿なんか…
止まらない涙を拭きながらも、声を殺す
「……くっ……そ……っ」
______カラカラ…
不意に、気配がした
そして何かが回るカラカラと言う音
自分の前に
人の影があった
「……だれ……っ」
その人は、俺の前でしゃがむと
『泣かないで…ほら、笑って?』
優しい微笑みを向けながら
風車を俺の前で、
カラカラと回す
「……もらって良いの…?」
うん、と笑顔で頷くと、
震える俺の手に
風車を握らせる
お礼を言おうと顔を上げる
が、
「……ありが……
………あれ…?」
そこに、もう人の姿は無かった
***
それから、いつも自分が泣きたくなる時
にその人は現れた
でも何も喋らない
優しく微笑むだけなのだ
だけど、
いつもその人が知らぬ間に
去っていく頃
自分が泣いていない事に気づく。
知らない間に励まされているんだろうか
あの人にはそんな力があるのだろうか
俺の事を、心配してくれているのだろうか
________カラカラ…
風がそよぐ、草花の丘で
あの人からもらった風車を回していた
「………」
________ザッザッ…
……?
221人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ドラごん(プロフ) - 黒月桜さん» あ、第二章続きますよ^_^ (2014年7月23日 22時) (レス) id: ee7dfc4505 (このIDを非表示/違反報告)
黒月桜(プロフ) - か....完結!? (2014年7月23日 20時) (レス) id: 18c213da58 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - わーい凄く楽しみです。 (2014年7月19日 15時) (レス) id: eede5b9ca7 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 今頑張って書いていますので少々お待ちを!Σd(゚∀゚。) (2014年7月19日 15時) (レス) id: ee7dfc4505 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - わーい。第二章読みたいです。 (2014年7月19日 15時) (レス) id: eede5b9ca7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ドラごん | 作成日時:2013年8月21日 1時