天才フルート奏者の男装美少女は誰からも愛されているようで。【HQ！】第2章

68.日と影の正体 No,4 ページ38

『俺は……僕は……女、です…

名前は銀桜……A…』


「「！！」」


僕は両手を強く握り、下を向いた


脳裏に過去の映像が流れる


“怖い”


僕の心の中にはその言葉が時間が流れる度に溜まっていった


また避けられるのが怖い

一人になるのが怖い

裏切られるのが…怖い


他人の心の奥底を知るのが……


“怖い”


僕の中に

考えれば考えるほど頭の中が真っ黒に染まっていく

また僕は独りで心を殺していかないといけないのかな

不完全な僕の存在なんて要らないんだ…

僕ってやっぱ…弱虫だな…

自分の弱さに心が苦しめられる

















“ここにも僕の居場所なんて無い”


僕の心にその言葉が深く響いた


また生きている意味が分からなくなった＿＿














清「本当のこと言ってくれて

“ありがとう”」


『え…？何…で…？』


僕が耳にした言葉は予想外の言葉だった


清「A…ちゃん…が

私たちから身を引いてるように感じてたからね

本当のことを教えてくれて嬉しいの」


マネさん達の方を見るとニコリと優しく微笑んでいる姿が目に焼き付いた


僕は何に怯えてたんだろう…

こんな優しい笑顔を僕に向けてくれる人たちが

あの頃の奴等みたいなことをするわけないのに…

信じるのが恐怖で包まれながらも

僕を信頼してくれる人達が回りにはたくさんいる

それなのに僕は……


『………』


谷「Aちゃん！？だ、大丈夫！？」


『え…？』


僕の目からは次々と雫が流れ出す

僕…泣いて……


ｷﾞｭｩ＿＿＿


清「大丈夫」


優しく腕で包み込んでくれた潔子さんの肩を借りて静かに涙を流し続けた


…僕はここにいてもいいのかな…？

信用してもいいのかな…？

ホントに……



















































“わからないことだらけ”

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