97話 ページ47
「落ち着きたまえ。あの水晶はアランを守ろうとしているだけだ。時が来れば雪解けのように、あるべき姿に戻る」
「でも、アラン・・・、家に帰りたいって。ずっと言ってたのに・・・」
こんなになっちゃったら、連れて戻れない。
ずるずるアンナの体が崩れ落ちた。
家族がだれもいない国にアランを置いていくんだろうか。家に帰りたいとあんなに言っていたのに。
こんなの酷い。酷い・・・！
「アランは俺が守る。」
顔を上げると、姿を変えた紅炎がまっすぐシャロットと向き合っていた。
「お前の話を受け入れよう。」
「そうかい。ならば、アランの置き土産をもう一つ渡そう。君の新しい名前だよ。」
『もらん・れん』
たどたどしい文字は間違いなくアランの物だ。
「『アラン』の名前をもじったそうだよ。」
何もかもアランは用意をしていった。
新しい姿も新しい名も。『練』の誇りだけは残して。
『あきらめないで！こーえんくん！！』
ああ。本当にな、アラン。
「さて。ここからは誰も知らない時代がやってくる。我々も総力戦でかからないとね」
＊
おめめのあおいおんなのこ そらにうたうよながれぼし♩
きらきらひかるながれぼし♩ ねがいをかなえてながれぼし♩
優しい星空の中、アランが思いつくまま歌を歌っていると、ベルを鳴らしたような音をさせチャムスが帰ってきた。
仔鹿とベル。
ちょっと違うけれど、北欧のお祭りのようだ。
「アラン、お待たせ！行こうか」
「うん！」
ぎゅうっと抱きつくと、チャムスも嬉しそうだ。
「さあ、還ろう。僕達の故郷に」
その夜。
アルガン島には流星群がやって来た。
光のない島に
奇跡のような光景に島民が
その群星に混ざり、１つの光が巫女の館。その最深部に舞い降りた。
まるで昔話が再来したかのように。
「おかえりなさいませ、チャムス。そして、アルガン島の新たな守護者」
「みこさまだぁあ！」
ようやく、帰ってきた。
ずっとずっと帰って来たかった。
波の音。
森の匂い。
生き物の息遣い。
「ふふ。おかえりなさい。アラン。そして、おやすみなさい。」
第3章:希望の行方 終わり。
引き続き、第4章をお楽しみください。
鯨波の声 9
続く
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飛燕(プロフ) - しーちゃんさん» ありがとうございます。遂に第四章始まりました。宜しくお願いします！ (2018年11月29日 6時) (
レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - 飛燕さん» アランくん、本当にお疲れ様でした！！ゆっくり休んで下さいね(>_<)紅炎様は主人公とコレットと暮らせないんですか！？( ；∀；)シャロットの手伝いはいいと思うけど姿変えちゃったら、、、(..)続きがきになります。更新頑張って下さい！！ (2018年11月21日 19時) (レス) id: d93e3097a1 (このIDを非表示/違反報告)
アカリ - 飛燕さん» 判りました！就活活動など頑張って下さい!! (2018年11月18日 9時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アカリさん» 大変申し訳ありませんが、すぐにリクエストにはお応えできません。大変申し訳ありません (2018年11月18日 9時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アカリさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。文豪スレッドッグスは名前くらいしか知らず、加えて作者自身学生ではありますが、卒業試験や卒業作品展、就職活動など時間が取れにくい状況にあります。 (2018年11月18日 9時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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