55話 ページ5
「食べられるだけでいいから、食べて。先生」
我慢比べのようにしばらく見つめ合った後、しぶしぶと言ったように、紅明は口を開けた。
「固形物も食べられそう？重湯だけにしとく？」
「アンナ。もう、島に帰りなさい」
「帰んない」
「私を心配してくれたのでしょう？それなら、もう平気です。帰りなさい」
「いや！！絶対、いや！もう離れない！」
ぎゅっと紅明の手を握ったアンナは女の顔をしていた。
それに気付かない紅明ではない。
何故、可愛い弟子のままでいてくれないのか。
アンナを憎らしく思う反面、筋違いの言い分だということもわかる。
はたして本人はどこまで気が付いているのか。
どちらにせよ、アンナの気持ちに応えることはない。
「失礼いたします。紅明様」
割入ってきた兵士の声に、紅明の思考がサッと切り替わった。
「どうかしましたか？」
「紅明様宛の文が届いております」
文？
流刑地に？
「アンナ。すみません。食事は後できちんとしますから、一度下げてもらえますか？」
「はい」
元々賢い子だ。
即座に状況を察し、アンナは食器を下げていった。
まず紅明は、受け取った文の形状を見て、眉をひそめた。
封筒に
これは西方で最近の流行り物だと瞬時に記憶が反応した。
こんな皮肉った物を送ってくるとは一体誰か。
ずいぶん、ステキな性格をしているようだ。
封を外し、中の
文字を見ればその人物がわかる。とはよく言ったものだ。
差出人は、英才教育を受けた人物なのだろう。
手本のような文字に独特のクセが混ざっている。
おそらく、文字をよく書く職業だが、時間に追われている人物。
手紙の内容は、今まさに紅明が欲していた情報だった。
「アンナ、そこにいますね。」
「はい」
「この手紙を私の前で燃やしなさい。それが済んだら紅覇とこの文を届けた人物をここへ呼んできてください」
アンナは言われた通り、台所から持ってきた火種で手紙を焼き捨てた。
紅明の表情からして良い知らせではなかったのだろう。
続いて、紅覇と外で待っていたハルを紅明の部屋に通した。
「知らせがありました。兄上の処刑の日が決まったと」
びくっと紅覇の肩が跳ねた。
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飛燕(プロフ) - しーちゃんさん» ありがとうございます。遂に第四章始まりました。宜しくお願いします！ (2018年11月29日 6時) (
レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - 飛燕さん» アランくん、本当にお疲れ様でした！！ゆっくり休んで下さいね(>_<)紅炎様は主人公とコレットと暮らせないんですか！？( ；∀；)シャロットの手伝いはいいと思うけど姿変えちゃったら、、、(..)続きがきになります。更新頑張って下さい！！ (2018年11月21日 19時) (レス) id: d93e3097a1 (このIDを非表示/違反報告)
アカリ - 飛燕さん» 判りました！就活活動など頑張って下さい!! (2018年11月18日 9時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アカリさん» 大変申し訳ありませんが、すぐにリクエストにはお応えできません。大変申し訳ありません (2018年11月18日 9時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - アカリさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。文豪スレッドッグスは名前くらいしか知らず、加えて作者自身学生ではありますが、卒業試験や卒業作品展、就職活動など時間が取れにくい状況にあります。 (2018年11月18日 9時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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