251話 ページ20
「シャロット、集中しろ」
「……わかっているよ」
ココットを
今は彼らを信じるしかない。
けれど、こんな底無しの相手にどうすれば…
「危ない！シャロット！！！」
Aの悲鳴に、顔をあげた瞬間だ。
目の前に氷が迫ってきていた。
紅炎が駆け寄ろうとしているのが目の端に見えたが、間に合わないだろう。
ああ、僕はここまでか………
やけにゆっくり、自分に迫ってくる氷を見ていると、別方向から、突風が吹き荒れシャロットの壁になった。
「白瑛？」
鳥のように舞い降りた白瑛に、紅炎は目を開いた。
戦場には場違いのように美しい。
眉を引き寄せ、瞳は不安に揺れている。
彼女は、なんと声をかければいいのか、口を開きかけてはすぐに閉じた。
「そうか。よく来てくれた、白瑛」
「紅炎殿」
目に見えるほどホッとした白瑛の表情に、シャロットはおや？と、口許をニヤつかせた。
「シャロット、大丈夫？」
「ああ、助けられた。平気だよ」
Aに支えられながら周囲を見ると、白瑛を見つけた白龍がこちらに駆けつけようとしているのが見える。
紅炎、A、アラジン、モルジアナ、ムー、ティトス、白龍、白瑛。
これだけのマギと王の器、眷族が集まっていてもダビデにはダメージさえ与えられている様子もない。
戦力が全く足らない。
戦略を立てようにも、その時間さえ……！！
このままじゃジリ貧で終わりだ。
「そろそろ虫を払うのも飽きたな」
ニヤッとダビデが笑ったのと同時だ。
その手にぞっとするほどの魔力が集まっていくのを感じた。
嘘だろう？
あんなの、グエンツェンでは防げない……！！
「紅炎！私が無効化する！隙を付いて！！」
止める間もなく攻撃の真っ正面に飛び込んでいったAは、宣言通り町ひとつ簡単に吹き飛ばせそうなダビデの攻撃を無効化し、王達はそこに突っ込んでいく。
けれど、これじゃ………
シンドバッドさえいてくれれば…！！
７体のジンを従えた覇王。
彼がいるのといないのとではまるで違う。
アラン……。
頼む、アラン！！
ドン！！
肌がひりつくほどの熱風に、シャロットが顔を上げると、金色の髪をした青年が得意気に笑っているとことだった。
＊
事情を知っているその場の誰もが、突然現れたアリババとジュダルの姿に呆然とした。
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飛燕(プロフ) - わわさん» ありがとうございます。最終章の続きはスピンオフシリーズ4の『星を抱くもの』になっています。よろしくお願いします (2021年11月6日 8時) (
レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
わわ - めっちゃ好きです！！ありがとうございます！！ (2021年11月6日 0時) (レス) id: 3f77deffba (このIDを非表示/違反報告)
Haruhi(プロフ) - 初コメント失礼します、最初のシリーズからずっと読ませていただいてて、本当に世界観に引き込まれる素晴らしい作品です！マギの原作と同じくらいハラハラドキドキしながら楽しませてもらっています！これからも楽しみにしています(^^) (2020年4月30日 14時) (レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)
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