【東京喰種】目が覚めると腰から何か生えてた話、第2部 (ページ3)

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私はそのまま身体検査を受け、渡された服に着替えた。

いつもの仕事着だ。
ブラウスにスカート…

あの日ボロボロにしてしまった筈なのに、なぜここに私の家にある服があるのだろう。

よくわからないまま、有馬さんのもとへ向かった。

「行くよ」

返事を聞かず、すたすたと歩いて行ってしまう。
このド天然が、と思いながら変わらない有馬さんの背中についていく。

その横に、ハイセはいない。

そう言えば、彼はコクリアの服のままだった。
まだこの中にいる喰種だったのか。

これを聞いてもいいのかわからない。
また、自分のことが落ち着いたら改めて聞こう。

私はそのまま、有馬さんの車に乗り込んだ。
何度も思うが、この人本当に免許証持ってるのかと疑う。

「ああ、これ」

有馬さんは助手席に乗る私に鞄を差し出した。
有馬さんがずっと持っていた鞄の1つ。

そっとチャックを開けると、中には梟の資料などが入っている。

あの日の私の私物だ。
でも鞄が違う。

「劣化が激しかったからって」

『誰が…』

有馬さんは私の問いに答えてくれなかった。

鞄のポケットには私の家の鍵も入っていた。
アザラシのストラップがついているから、間違いない。

私はマンションの前で降ろされ、明日から普通に出勤するよう言われた。

行きたくない。

でも働かなきゃ。

3ヶ月も眠っていたとは思えないほど、私はすんなり4階まで階段を登った。

鍵を開け、ドアを開ける。

『え…？』

靴はきれいに整頓され、カーテンが閉まっている。

おかしい。

電気をつけ、あたりを見回す。

埃がない。
3ヶ月ぶりの我が家とは到底思えない。

恐る恐る靴を脱ぎ、部屋に入る。

リビングにも電気をつけ、あたりを見回す。

埃はないが、どこか荒らされたわけでもなさそうだし、位置も変わっていない。

通帳が入っている鍵付きの引き出しを開け、中身も確認したが、何も変わっていない。

誰かがわざわざ掃除だけして帰ったってこと、だろうか。

私は久しぶりの我が家のベッドに飛び込む。

布団は太陽の暖かい香りがした。