無題３１ ページ31
宇井side
A「江戸時代ってさ、概婚者が他の人と関係を持つと首を切られるんだって」
宇井「は？」
A「民衆の前で首を晒されるらしい」
宇井「いや、何なの」
久しぶりにゆっくり執務室で仕事をしていると、隣でAが話し出した。
手には分厚い本がある。
何処から借りてきたんだか。
A「相手がいないよね」
宇井「まあね。それより仕事は」
A「は、終わってる」
だからそんなに余裕なのか。
机の上にはきれいに整頓された書類。
3件分の案件を片付けたから、量は多い。
宇井「早いな…」
A「この仕事しかしたこと無いもの」
宇井「私もだよ」
捜査官になってから、何年経ったんだろ。
毎日が忙しくて、気づけば今に至っている。
いつかに、一等になった日に、Aに告白したことを思い出す。
憂いな、私。
すごく恥ずかしいことした。
A「…何？」
宇井「別に」
余裕そうに本を読み続けるA。
数年前。
入局したての私はAの背中を追うことしかできなくて、後ろ姿を見続けていた。
しばらくして、横顔を見れるようになった。
Aの横顔は凛としていた。
年下とは思えない大人さ。
それでもプライベートの一面はとても子供だった。
いつしかAへ対しての想いは、憧れ、尊敬とは違うものになっていたのは事実だし、それは今も変わらない。
Aの事が好きなまま。
Aは、待つのは飽きたといった。
それはきっと、今、もう一度想いを伝えれば結果は良好なものになるだろう。
でも、私はそれを望まない。
冷静に考えれば、私はこの人の隣に立つのは相応しくなかった。
思い返せばいつだって、弱くて、女々しくて、守られていた。
Aには、私よりもっといい人がいるはず。
A「あ、ねね。それのチョンパの刑とかあるよ」
Aは笑いながら私のあの部分を指さした。
宇井「鳥肌立つからやめて」
A「あ、終わった？」
私が手を止めていることに気づいたのか、本に栞を挟んだ。
私も机にペンを置く。
宇井「一応ね」
A「んじゃ、出しに行こうか」
Aは書類を手にし、立ち上がった。
宇井「うん。ありがとう」
ナチュラルに優しいAも好き。
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まる - 最高です！！！ (2017年9月11日 2時) (
レス) id: 0af8a34735 (このIDを非表示/違反報告)
果林(プロフ) - もうせつないし郡さん大好きだしつらいです…。更新頑張ってください！ (2017年9月7日 23時) (レス) id: 9802811aec (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - コオリちゃん尊い....！この作品最高です！！！更新頑張ってください！！楽しみに待ってます！ι(´∀`)/ (2017年9月3日 22時) (レス) id: 242ab48235 (このIDを非表示/違反報告)
狐面少女(プロフ) - コメ有難うございました！漫画でもコオリちゃんが見たいですよね！更新がんばります！ (2017年8月31日 21時) (レス) id: 1eb513d048 (このIDを非表示/違反報告)
倫(プロフ) - うわあ大量更新ありがとうございます！最近の宇井さんは目も当てられないくらい可哀想なのでここのコオリちゃんに癒されてます…！これからも楽しみにしてます(´`* (2017年8月26日 21時) (レス) id: 461a7ad2da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狐面少女 | 作成日時：2017年8月18日 1時
