無題２８ ページ28
ヒナミちゃんの頭から手を離し、もう一度目を合わせる。
こんな可愛い顔をしているのに、目の下には濃いくまがあった。
A「ヒナミちゃん、悩みごと？」
ヒナミ「どうして？」
A「眠れないほど、考え事してた？」
ヒナミ「…嫌なことがあったの」
ヒナミちゃんの年だと、嫌なことで思い悩む時期か。
A「カナキくーん、相談に乗ってあげなよー？」
カナキ「は、はぁ…」
学校でのいじめかな。
平日の昼間なのに、ヒナミちゃんはこの店にいる。
集優高校は今日は休日だと知っているが、小中学校は通常通りのはず。
小さい体なのに、大変だろう。
私はメモ帳とペンを出し、自分の電話番号を書いた。
A「お姉さんさ、ヒナミちゃんより長生きしてるから、相談に乗れると思う。良かったらまた話そうね」
時間が時間だから、お会計を頼んだ。
「有難うございました」
A「おいしかったです。また来ます」
私はそう言って店を出た。
いきなり子供に話しかけるなんて、不審者だったな、私。
タンタン、と階段を登ってくる音がする。
お客の邪魔になってはいけないと思い、隅によった。
もうちょっと階段の幅が欲しい。
「！」
A「あれ、君…」
髪の毛をおろし、眼鏡もかけてないが、わかる。
この子もさっき、局に来ていた子だ。
A「情報提供、ありがとね？ここのお客さん？」
「……」
A「急に話しかけてごめん。あ、私ね、喰種捜査官の藍澤って言うんだけど」
やっぱり、この子も私の名前に反応した。
右まぶたが僅かに動いた。
A「局員が乱暴したみたいで、ごめんね。ああ……腕、大丈夫？」
その子は黙って店の中に駆け込んでいった。
真戸さん飛ぶつかった時、力強く抑えてた腕。
さっきも擦っていた。
ただぶつかっただけのように見えたから、以前から怪我をしていたはず。
いろいろと怪しいもんだ。
私はタクシーの中でも悶々と考え込んでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まる - 最高です！！！ (2017年9月11日 2時) (
レス) id: 0af8a34735 (このIDを非表示/違反報告)
果林(プロフ) - もうせつないし郡さん大好きだしつらいです…。更新頑張ってください！ (2017年9月7日 23時) (レス) id: 9802811aec (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - コオリちゃん尊い....！この作品最高です！！！更新頑張ってください！！楽しみに待ってます！ι(´∀`)/ (2017年9月3日 22時) (レス) id: 242ab48235 (このIDを非表示/違反報告)
狐面少女(プロフ) - コメ有難うございました！漫画でもコオリちゃんが見たいですよね！更新がんばります！ (2017年8月31日 21時) (レス) id: 1eb513d048 (このIDを非表示/違反報告)
倫(プロフ) - うわあ大量更新ありがとうございます！最近の宇井さんは目も当てられないくらい可哀想なのでここのコオリちゃんに癒されてます…！これからも楽しみにしてます(´`* (2017年8月26日 21時) (レス) id: 461a7ad2da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：狐面少女 | 作成日時：2017年8月18日 1時
