◇真田俊平・弟◇ ページ47
*リベルさんリクエスト*
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久々のお買い物。
大学生になって、バイトも始めたから少しだけ余裕ができて。いい感じのデパートへ弟の俊平も連れて買い物に来た。
私の大好きなブランドで服を見繕う私の隣で、俊平はひらひらとマネキンのスカートの裾をいじっている。
「何やってんの俊平」
「いや、みじけーなーと思って」
「…よく物怖じせずにそういうことできるね」
「女性服しか売ってないこの店に入るのも、全然恥ずかしそうじゃないし」と言えば、俊平は「だって、たぶん俺たちカップルだって思われてるでしょ」とニッと笑う。
「彼氏が彼女の買い物に付き合うとか。普通のことだし?恥ずかしくない」
「あんたホント…人誑しだよねぇ」
「まあねー」
「褒めてないし」
相変わらず、マウンドに立ってないときは物腰柔らかな俊平に苦笑いしながらワンピースを2枚手に取ると、「どっちがいい?」と俊平の方を振り返る。
「…どっちでもいい」
「出たよ男の常套文句ー」
「いや、まじでどっちでもいい」
「うわ、興味ないの?」
「あるけどさ」
「姉ちゃんどっちも似合うし」となんでもない顔でいう俊平に、私はしばらくフリーズすると、「………持ってて」と言って彼に二枚ワンピースを渡してまた服を物色し始めた。
あー顔が熱い。
「………照れてる?」
「うるさいシスコン」
「…いや、シスコンとかじゃないって。
だって野球部の奴らもみんな真田のねーちゃん可愛いって言って…」
「うるさいうるさいー」
耳をふさぐ私に俊平はひとしきり笑って、私の背中にワンピースを合わせ始める。
「姉ちゃん」
「なにー」
「俺、これが似合うと思う」
「………わ、かわいい」
俊平に渡されたのは、私がさっき渡したワンピースじゃなくて、別のもので。
一目見た瞬間に「かわいい!」って思ってしまうくらい、好みどストライク。
「買う!」
「へへっ流石俺。誰より姉ちゃんの好みわかってんなー」
「流石シスコンー」
「シスコンじゃねーって」
嬉しそうな俊平に私も笑うと、「これくださーい」とレジの方へ歩き出した。
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◇何年一緒にいると思ってんだよ◇
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