◇小湊兄弟・真ん中◆ ページ24
*このかさんリクエスト*
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「小湊くん、お姉さん呼んでるよ?」
春ちゃんのクラスの子に春ちゃんを呼んでもらって、教室のドアのところで「春ちゃーん」と手を振れば苦笑いでやってきた。
「なに、姉貴」
「……なにそのちょっと嫌そうな顔」
「嫌じゃないよ別に…。で、どうしたの」
「体操服貸して!」
「お願い!」と顔の前でぱちんと両手を合わせれば、「忘れたの?」とまた苦笑いされた。
寮だから取りに行けばいいんだけど、なにも考えず洗濯機に放り込んでしまった。
こんな時の頼みの綱は間違えなく春ちゃん。
「いいよ、ちょっと待ってて」と取りに行って体操服を渡してくれた。
「ありがとう、流石春ちゃん」
「…僕に借りるより、兄貴に借りた方がいいんじゃないの」
それは私も春ちゃんに借りに来る前に思ったことだ。
春ちゃんに借りるより亮ちゃんに借りた方がいいんじゃないかと。
弟である春ちゃんよりも、兄である亮ちゃんの方が私の身長に近いから。
「…それは身長のことを言ってるの?あー、亮ちゃんに言ってやろ」
「僕そんなこと言ってないから!」
「じゃあ何で?」
「…………僕も姉貴が兄貴の漫画にジュースこぼして黙って返したの言っちゃおうかな」
「やめてー!」
可愛い顔してにこりと笑って怖いこと言うところは春ちゃんも亮ちゃんと変わらない。
急いで謝れば「まあお互い様だよ」とぽんぽんと頭を撫でられた。
「…………背追い抜いたからって、子供扱いしてない?」
「してないしてない!」
「……昔は『Aちゃーん!亮ちゃーん!』って私たちの後をピッタリついて歩いてたのにね」
「姉貴…」
「それいつのこと?」と笑いながら言う春ちゃんに「もう一回『Aちゃん』って呼んでみて!」と無茶振りすると
「Aちゃん、そろそろ行かないと体育遅れるよ」
と顔を赤くしながら言ってくれた。
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◇私の弟は天使な小悪魔です◇
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