20.出会 ページ20
禁城へ入内してから間もなく、Aの姉だという姫が現れた。自分には兄弟がいないと思っていたのに、知らない家族の存在があって、それが敵国の皇帝一族の者だなんて、どうしても事実を受け入れることができずにいた。
Aの育った王宮には叔母が20名いた。母を含め21人姉妹見事な腹違いで、それぞれ派閥をつくり仲はあまりよくない。
__姉という存在は、きっと叔母上様と同じ。まるで私の主人のように高圧的に振る舞うのであろう。
呼び出されるのだと気構えていたら、わざわざ姉という人物はこちらの御殿まで出向いてくれていた。
「私は練白瑛。あなたの姉です。よければあなたのことを私に教えてくれますか?」
そう言って手を差し伸べた。しかしAは顔を上げもせず、ただ地面を見つめて淡々と話すばかり。
「____練A、そう名乗れと命じられました。しかし、私はあなたを姉として認めたわけではありません」
「我が主はお疲れでございます」
「どうかお帰りください」
「門はあちらにございます」
故郷から連れてきた女官らは御殿の門へ手を向けた。白瑛の部下青舜はその態度に苛立ち、前へ踏み出す。
「姫様になんて無礼を!」
「良いのです。おやめなさい、青舜。…では今日のところはお暇します。ですが、あなたに兄弟だと認めてもらうまで諦めませんよ」
穏やかに微笑み踵を返す姿にAは眉をひそめた。
____禁城に腹違いの弟が入内したというのを耳にした。先日紅炎が占領下に治めた国、彼の母親はその国の王族だという。話によれば、白徳帝の生き写しと言われる美貌と弦を弾いたような声を持つ、煌帝国の大軍を目の前にしても怯むことのない勇気ある少年らしい。
会ってみれば、不安げな表情は崩れることなく、まわりの女官の警戒も尋常ではなかった。
そもそも、白瑛や白龍の母、Aの母との確執がある。武家の娘と、王家の娘では、あきらかに後者の方が格上だ。しかし、何か理由があったにしろ、Aとその母が捨てられたのだ。
母を捨て、母国を滅ぼした。受け入れられないことはわかる。
けれど、こちらには仁義があるのだ。世界を統一し、平和な大地を築くこと。そして、血の繋がった家族を受け入れるという当たり前のこと。
いつか、彼が心を開いてくれるまで____本来あるべき家族の形となるために、私は何をするべきなのか。
奥の御殿から歌声と弦楽器の音色がゆったりと流れる。木漏れ日が揺れ、囀ずる鳥達は飛び去っていった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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Seere(プロフ) - とまとさん» こうして温かいお言葉を頂くと、やはり占ツクに戻ってきてよかったなと感じます!2年も経ってしまうだなんて自分でもびっくりです(*_*)完結するまで長い時間がかかってしまうかもしれません。ですが、ふと思い出した際にぜひ覗きにいらっしゃってください♪ (2018年10月13日 21時) (レス) id: 602f4a06eb (このIDを非表示/違反報告)
Seere(プロフ) - とまとさん» ありがとうございます!もしかしたらお気づきかもしれませんが、実はこの作品「古の魔法~」の設定を少しだけ模したものです。思い入れがある作品なので、とまと様が覚えてくださってとても嬉しい反面、ちょっぴり恥ずかしいですね(^.^) (2018年10月13日 21時) (レス) id: 602f4a06eb (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 他の作品ではありますが古の魔法のようにシリーズの時からSeereさんのファンです!占ツクに戻っていただいた時は本当に嬉しかったです!この作品を読みはじめて2年もたつなんて信じられないです…ゆっくりSeereさんのペースで作ってください。応援しています! (2018年10月13日 9時) (レス) id: 8aec95c110 (このIDを非表示/違反報告)
Seere(プロフ) - 流羅さん» とても嬉しい言葉を頂きました(*´-`)文章力はまだまだですが、もっと感動してもらえるような作品にするために頑張ります!応援ありがとうございます! (2016年12月28日 16時) (レス) id: 602f4a06eb (このIDを非表示/違反報告)
流羅(プロフ) - とっても面白いです!Seereさんの創る小説は全部語彙力があって、本当に感動するお話です。これからも頑張って下さい、応援しています…! (2016年12月27日 11時) (レス) id: 417529961c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Seere x他1人 | 作成日時:2016年12月24日 0時