番外編 ▽School ページ35
突然ですが警学時代の過去編という名の番外編です!
本編にはあまり関係ありません。
ちょびっと原作ねじ曲げる部分があります。
*
『降谷零、降谷零、降谷零…っ!』
あの日、私は忌々しいその名を口にしながら屋上へと続く階段を上っていた。
降谷零。
私はその名前を入学早々目にした。
私の名前の上に、である。
1番の自信があった。誰にも負ける気はなかった。
なのに奴は毎回のごとく必ず私の上を行くのだ。
もう我慢の限界。耐えきれない。
彼と仲間たちがいつも屋上でたむろしているのは知っている。
どうせ今日もそこにいるはずだ。
私はバンッと荒々しく扉を開け放った。
『降谷零!!』
「え?」
視線の先にはパンを食べているあいつ。
周りにはいつも通り松田、萩原、伊達、緑川。
あぁもう、顔を見るだけで腹が立つ!
なによその甘々フェイス!舐めてるの!?
苛立ちすぎて自分が理不尽なことを思ってることにも気づかず、私は続きを言おうとした。
しかし、その前に奴が首を傾げてこんなことを言ったのだ。
「ごめん、誰?」
『はぁ!?』
誰?って、なにそれ!?
こいつ私のこと知らないの!?
思わず怒鳴りそうになったが、なんとか歯を食いしばって堪える。
その隙に慌てたように緑川が降谷零に言った。
「ほ、ほら!白石Aだよ!2位だったやつ!」
「え?2位って伊達じゃなかったか?」
「俺が2位だったのはさっきの柔道の話だろ!?
入学テストの2位はあいつ!」
『ちょっと!さっきから2位2位ってやめてくれる!?』
あぁそう。
こっちはあいつのこと目の敵にしてたけど、向こうは眼中にすら入れてなかったってわけ?なによそれ。
抑えていた怒りが再び溢れ出す。
握っていた拳が震える。
「えーと、白石だっけ?何の用?」
ぬけぬけとそんなことを言っている彼を、私はビシッと指差した。
『降谷零!!』
もう1度その名前を呼んでから、私は当初言おうとしていたことを叫んだ。
『いつか絶対、あんたのこと抜いてやるから覚悟してなさい!!
いい!?次に1番になるのは私なんだから!!』
言った。
言ってやった。
これは宣戦布告だ。次は負けない。絶対に勝ってやる。
その言葉を受けた降谷零は、ポカンと間抜けな顔をしている。
しかしやがて、なんだか癪に障る悪戯っぽい笑顔を浮かべて言った。
「いいぜ、ノってやるよ」
かくして私と降谷零の長きに渡る戦いの火蓋が切られたのである。
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立夏(プロフ) - 坂竹会長さん» わわわほんとですね…!ありがとうございます!直しておきます! (2018年9月30日 21時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ30、あんなとこでが、あんたとこでになっております。間違っていたらすみません。 失礼しました。 (2018年9月30日 20時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - 立夏さん» まさか見ていただけてるとは……!夢主ちゃんがどうなるか続きが気になります……。お互い更新頑張りましょう笑 (2018年6月7日 9時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - mリンさん» わぁぁmリンさん!初めまして!私もmリンさんの小説いつも楽しみに読ませてもらってます!!本人の前で素直になれるのはいつになるやら…という感じですが応援していただけると嬉しいです笑 ありがとうございます!頑張ります! (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - お初にお目にかかります。ちょっと素直になってきた夢主ちゃんがたまらなく可愛いです………。このお話本当に好きです。私のとこの夢主とはえらい違いが……笑 続き楽しみにしてます、更新頑張ってください! (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年5月20日 18時