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「A〜」
真緒くん今眠いでしょ、というと 後ろからははっと笑う声が聞こえた。
「うん、すげー眠い…」
「寝ようよ、じゃあ」
シングルベッドにふたつの温もり。
彼に背を向け私は本を読んでいたら背後から大好きな人が私の名を呼ぶ。この甘えた声はどうやら眠いときの特徴らしい。
部屋の電気を消して、ベッドサイドランプのオレンジの光だけが私たちを照らす。
ひとつのベッドに二人って、すこし狭い。
けど悪くはなかった。
「今日もほんとに大変だったんだぞ?
マジで勘弁してくれ… あー疲れた」
「真緒くん今日も仕切り役?おつかれさま、えらいね」
真緒くん苦労話を日々聞きながら眠りにつくのが私の日課となってきている。
話を聞いていると本当に彼はお兄ちゃんのように頼れる人だと毎日惚れ直してしまい……けれど
「ん、…」
と、真緒くんがもぞもぞ動いたかと思えば後ろから私に腕を回しぴったりと抱きついてくる。
背中に伝わる彼の体温にまたどきっとした。
「Aが褒めてくれるから、毎日頑張れる…」
いつもよりふんわりとした声でそう言い、またぎゅっと私を抱きしめる力を強めた。
しばらくすると、寝息が聞こえてきて 今日も一日が終わるなと感じた。
夜だけは弟みたいな可愛い姿になる彼に、毎日翻弄されてはどきどきと。
あぁ 今日もなかなか眠りにつけなさそう。
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紗那(プロフ) - 他に言葉が思いつかないくらい好きです!!!!! (2021年3月31日 21時) (レス) id: 4c68a4f65c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れれ | 作成日時:2019年11月23日 23時