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蛇のお手伝い ページ7

失礼は承知のうえで、料理を進める生徒たちを眺めていると

指示を出していた男性がこちらに気づいたようで

一度料理の手を止め、こちらに近づいてきた。


「ん?君たちは…」


『えっと…すみません。盗み見るような真似をして…』


「いや、構わないさ。

君は確か…マジフト大会前に怪我をした時に話をした子だな。

A・ソリトゥス…と、グリム、だったか?」


そうだ。思い出した。

マジフト大会前の事件を調査していた時

怪我をしたということで、話を聞いた人。

なぜか、関わりたくないと感じてしまった人だ。

それにしても、彼は物覚えが良いようだ。

僕ですら、若干その出来事を忘れかけていたのに。


『バイパー先輩…ですよね。

よく僕たちの事を覚えてますね。』


ジャミル「あぁ、改めて自己紹介しておこう。

俺はジャミル。ジャミル・バイパーだ。

スカラビアの副寮長をしてる。

俺は、昔から人の顔と名前を覚えるのが得意でね。

特に君らは入学以来とにかく目立ってる。

覚えない方が無理なくらいにはな。」


『完全に不本意なのですが…』


オクタヴィネルでの問題の時は、エースたちを助けるためだから

進んで面倒ごとに突撃していったわけだが

本来僕は目立ちたくはないのだ。

だというのに、思ったようにはいかないな。


ジャミル「ところで…君たちは冬休みなのになぜ学園に?」


『僕もグリムも、帰る場所が無いので。

あと、学園長に仕事を頼まれているんです。』


グリム「俺様は真面目で有能だからな〜!

学園長に頼られるのも仕方ねぇことなんだゾ!」


『ああいうのは利用って言うんだよ、グリム。』


ジャミル「へぇ……そうなのか。学園長にね……」


『…?』


やはり、この人は苦手な部類だ。

所謂同族嫌悪だと言ってしまえば簡単なのだが。

自分の本心は奥底に秘めてしまうタイプ。

しかも、彼は恐らく優秀な部類だろう。

そういう人が何かを隠すときは、大抵何かを企んでいるときだ。


ジャミル「あの学園長に認められるなんて、君たちは凄いな。」


『…えぇ、どうも。』


「お話し中すみません、副寮長。

野菜の下準備が終わったのですが…」


バイパー先輩に声をかけたのは、恐らくスカラビア寮生。

それにしても、何でこんなに料理を作っているのだろう。

まるでパーティーでも開くみたいだ。


『あの…どうしてこんなに料理を…』


ジャミル「あぁ、それは………そうだ。

ここで出会ったのも何かの縁。良ければ君達も食べていかないか?

君たちも手伝ってくれるなら、だがな。」

毒蛇からの招待状→←雪降る朝の寮生たち



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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………!更新楽しみにしてます! (2022年9月24日 18時) (レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か???好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ! (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……! (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2021年8月1日 22時

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