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lie.26 ページ31

図書館で本を読みつつ、作曲をしていたら
突然瀬名泉の声がした


(危な…泉くんって呼ぶところだった…)


瀬名「何でここに…」


『図書館っていたら本を読むところでしょ
読書しながら曲作ってただけなんだけど…文句ある?』


瀬名「いや…皇帝の勘って怖いなって思っただけ…」


『何言ってんの?…はぁ』


ため息を吐くと私は荷物をまとめ始めた


瀬名「ちょっと、何帰ろうとしてんのぉ?」


『レオ風に言うとインスピレーションが湧かなくなったから帰る』


瀬名「ま、待って!俺あんたに用があるんだけど」


『お前が私に何の用だろうと関係ない
ライブが終わったら関わるな、仕事以外で話しかけるな。いいな』


すぐに図書館を出ようと思い、ペンやメモを乱雑に詰め込んでその場を去ろうとした

"去ろうとした"んだ


瀬名「待って」


『…何してんだよ、離せ』


瀬名泉に手を掴まれた
その眼は真剣そのものだった


瀬名「仕事の話…仕事なら私情は挟まないんでしょぉ?」


『それは私が受けたらの話…受けなければいいだけだ』


瀬名「…お願い。俺にチャンスを頂戴」


『…何のだよ』


瀬名「俺、あんたの歌を歌いたい
蓮の歌とは違うのに、どこか似ている…俺の好きな歌」


掴まれている力は弱い
振り解ける程に
でもそれをしないのは…できないからなのか


『…そんな目で見るな……』


瀬名「…?」


『…とにかく離せ』


瀬名「離したら逃げるでしょ」


『逃げない、話だけは聞いてやるから離せ』


希望を持った眼で見ないでほしい…おかしくなる


瀬名「本当?ありがとうAちゃん」


『正式に依頼を受けるかは話を聞いてから決める…それでいいでしょ』


瀬名「…なんだかんだ言っても俺に甘いよねぇ」


『余計なことを言うならその口縫うけど?』


瀬名「あんたの歌歌うまではやめてよね」


余裕そうな笑み浮かべやがって…


『…調子に乗るなよ……私はまだ許してない』


瀬名「知ってる。だから許してもらうために、あんたとは仲良くなっておきたい
蓮の事抜きにしても、俺はAちゃんの事気に入ってるから」


『なっ…うるさい!さっさと話せこのストーカーアイドルが!』


あれだけ嫌い嫌い言われておきながらこんなにも余裕なのが腹立つ…!
腹立つのに…ムカつくのに…


(なんでちょっと嬉しいんだよ…私は…!)


瀬名「…どうしたのぉ?」


『なんでもない!必要最低限の会話しかしないからな!』

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2018年11月13日 18時

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