その先へ～I'd like to approach～ (ページ32)

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｢(あっ天音先輩からだ)｣

天音先輩Aちゃーん!櫻井から連絡もらったので、時間過ぎていいから、ゆっくり食べておいで～♪仕事は二宮に押し付けておくから!笑

えぇ！？
じゃぁ…さっき櫻井さんが連絡してたのって、天音先輩だったの？

『さて、Aちゃん。中里から許可も下りたことだし、ゆっくり食べてから戻ろうか』

「櫻井さん…天音先輩からって知ってて、確認したらって言ってくれたんですか？」

私が問いかけると、もう一度、ニコっと微笑んだ

お言葉に甘えて…ゆっくりしていこうかな
後で、二宮に絶対なにか言われるだろうけど…(笑)

「あの…先輩への連絡、ありがとうございます」

『俺も、ゆっくりしたかったからさ…あのさ、もしAちゃんが良ければなんだけど、その…今、手に持ってるスマホの連絡先教えてくれない？』

そんなの…
いいに決まってるじゃないですか！！

「はい！ぜひ交換しましょう！！」

『ふはっ、すげぇ前のめりじゃん。実はさ、中里に聞こうかと思ってたんだけど…やっぱこういうのは、本人から聞かなきゃな。っと思って』

こういう、気づかいができるところも好きな理由なんだよなぁ

お互いのプライベート番号を交換して
スマホのディスプレイには

“櫻井翔を登録しますか？”

の文字…顔がにやけるのを我慢して、
迷わず“はい”を選択した

設定を終えて顔を上げると、
櫻井さんが口元を隠すようにに手を添えていて

そんな、何気ない仕草にすら、大人の色気を感じてしまう

好きな人だから特別な仕草に見えるのか…
目のやり場に困っていらたら、

≪お待たせ致しました。貝柱とエビのクリームソースを注文されたお客様はどちら様ですか？≫

タイミングよく料理が運ばれてきた

≪ご注文は以上でお揃いでしょうか？ごゆっくりどうぞ≫

『よし！食べよう！』

櫻井さんの合図で
私もいつも通り、顔の前手を合わせて
｢いただきます｣と声に出してから
一口目をほおばった。

｢んーーっ！！美味しい！！これ、すごいです！チーズとろとろだし、ホタテぷりぷりだし！｣

『ははは。わかったから、落ち着いてたべなよ』

櫻井さんこそ…
両頬にいっぱい詰め込んでリスみたい…
かわいい♡なんて言えるわけない…