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「これが異能力!?」
Aの顔には冷や汗が流れていた。つい先刻まで少年の姿をしていた敦が虎に変化したのだ。
動揺しながらも虎の攻撃を避けていく太宰とA。
虎が打つかった衝撃で壁には罅が入っている
「よりにもよって山月記か!!」
「……何だいそれは?」
「優雅に会話してる場合じゃ無いです
次が来る!!」
土埃の中から獲物を狙う獣の目が光っている
太宰目掛けて強烈なパンチを繰り出す虎。
避ける太宰。変わりに木箱が原型を失う。
「こりゃ凄い力だ
人の首くらい簡単に圧し折れる」
「云ってる場合ですか!?…痛ッ!!!」
虎の壊した木片がAの脚に切傷を負わせる
Aが視線を逸した一瞬の出来事
虎がAの血液の匂いに気づき、
狙いを太宰からAに変える
「!?逃げるんだ!Aちゃん!!」
太宰がAのもとに急いで走る。
Aには凡てがスローモーションの様に見えた
襲いかかってくる虎も。血相を変えて此方に向ってくる太宰も。
「(これ、完全に詰んだ…
太宰さんも何してるの?今のうちに逃げれば良いのに)」
死を覚悟したA。
だが不意に誰かの声が頭に響く。
零でも、大宰でもない
誰かの声。
＿＿＿＿死んじゃ駄目ーー!!
「っ!!」
咄嗟にAは手をのばす。
そして叫ぶ。己の身の内なる力を呼び覚ます詠唱を
「異能力!!＿＿＿＿●●●●」
Aの手から光が溢れた。
「君も…異能の者かい?」
気付くと太宰がAの傍らに居た。
「…太、宰さ…ん?って虎が!危ないですよ」
「それが無事なんだよ。君のお蔭でね」
太宰がサッとAの前から避けると
「あっ…」
月明りに照らされた虎が空中で何故か停止していていた。
標本にされた蝶の様にピクリとも動かない。
「どんな異能かは私にも分からないが
……君が彼を止めた事実は変わらない、頑張ったね」
太宰は優しくAに微笑み
空に縫い留められた虎に触れる。
「私能力の汎ゆる他の異能を無効化する
＿＿＿＿人間失格」
白い光が虎を包む。虎が敦の姿に戻る。
倒れそうな敦を受け止める太宰に尊敬の眼差しを向けるA。
「太宰さん…凄いです」
「男と抱き合う趣味はない」
パッと手を離す太宰。ビタンと床に倒れる敦。
「流石に酷くないですか…」
「何?羨ましいの、可愛らしい女性となら
大歓迎だよ」
ニヤニヤ笑いながらAに抱き着こうとする太宰の姿があった。
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御影(プロフ) - 綾田さん» コメントありがとうございます！ (2023年1月10日 7時) (
レス) id: e37802ecfa (このIDを非表示/違反報告)
綾田 - 夢主がめっちゃかわいいっ！？です。どんな子なのかな？と読み進めてたら、好みドンピシャで……マジかわいいです。ありがとうございます。 (2023年1月9日 21時) (レス) @page13 id: 9d196278d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御影 | 作成日時：2022年5月29日 22時
