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第三十八夜 馬鹿。 ページ7

「__馬鹿、そんなに緊張するなよ。俺が今お前を襲うとでも言いたいのか?」
「シンならしかねない。」
「おいおい。」

 気まずさを掻き消すように、他愛のない会話を重ねる。
 いつもみたいに談笑するものの、彼が馬乗りになっているためこちらとしては笑えない状況であり。

「…………」
「……シン」
「ん?」
「退く気は無いのか」
「嫌か?」
「その質問は狡い…。」

 このままでは心臓が持たない、と彼女は悟ると、顔を逸らして眠ろうと腕で顔を隠した。
 だけど、その腕を簡単に引き剥がされてしまう。
 彼もまだ成人もしていない19歳で、彼女もまだ可憐な 17歳。互いにときめく事は少なくないものなのだが、今回は流石に二人とも心臓が大きく鳴った。
 彼女の甘い顔と、彼の色めいた顔。互いの顔に釘付けになり、再度唇を合わせる。
 深く、何度も互いを求めるように。
 月に照らされた二人の影は、幾度も重なり合う。
 まるで、夢みたいな時間だ と二人とも考えていた。



 朝起きると、隣に彼の整った顔があり、そっと彼の胸板へ縋りついたが 彼から抱き締められ、体を大きく揺らしてしまった。

「……馬鹿、起きてるなら起こしてくれればよかったのに。」
「ん?お前の顔が可愛かったから見つめてた。そしたらお前が起きてきたから咄嗟に寝たふりしたんだが可愛いことをしてくれたからな。」
「なっ、ば、馬鹿!!」

 そう言って彼から顔を背ける彼女を見て、彼は陽気にはは、と微笑する。
 それが気に入らなくて、彼女は毛布に潜り込んでしまったが、それを彼が毛布の上から抱き締めた為 彼女は目を大きく見開いた。

「きゃああ!!な、何するんだ、や…やめろ!!離せ馬鹿!!」
「我が儘な姫君だなあ。」
「何が我が儘だ!き、きゃああ!!」
「ははっ、ほら、朝食でも摂りに行こう。」
「や、あ、ちょっ、馬鹿やめろ!待てって!や、やだ!毛布取るな!」

 先程暴れたせいで服の胸元が激しく乱れていたため 全力で抵抗したが、簡単に毛布を剥ぎ取られてしまった。

「……!」
「だ、だからやめろって………!」

 彼女は拗ねたようにそっぽを向いた。

第三十九夜 色惚。→←第三十七夜 失敗。



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阿呆代表の神(プロフ) - シンドバッドの冒険は漫画のタイトルです。「シンドバッドの冒険書」だと思います。 (2020年9月7日 16時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
阿呆代表の神(プロフ) - これはどちらでもいいと思いますが、態々女子(おなご)と言わなくても、乙女などと言えばいいと思います。いちいちすいません。 (2020年9月7日 16時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
阿呆代表の神(プロフ) - 魔力操作は気のようなもの、空を飛ぶのは…私はよく分からないですが、風魔法辺りかなと思います。詳しく知りたいなら調べましょう。魔導師ならまだしも、魔力操作を使える人でも、魔導師じゃなければ空は飛べませんので、魔導師以外の人が空を飛ぶのは可笑しいです。 (2020年9月7日 15時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
阿呆代表の神(プロフ) - 魔力操作では空を飛べませんよ。飛ぶのは魔法です。 (2020年9月6日 22時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
月影みこと(プロフ) - 質問です。このお話は原作何年前のお話なんでしょう?シンドバッドが19だから10年前ですか? (2016年3月13日 4時) (レス) id: 456fd0dd8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:乙姫 x他1人 | 作者ホームページ:三つもあります←  
作成日時:2014年10月15日 23時

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