第六十二夜 危険。 ページ31
だがいくらそんな彼でも「迷宮攻略」は危険だ。確かに彼は強い。恐らく世界ではマギに次ぐ強さ、もしくはそれに匹敵するのかもしれないが そんなことを言っている訳ではなく。
「危ないからやめておけ。それに貴様がいくら強くとも迷宮ではマギですら命を落とすこともあるだろう、危険だ」
「だ、大丈夫だって」
駄目だ と有無を言わさぬ顔で言うと、彼が頬を膨らませながら目を逸らす。馬鹿かと言いながら彼を見つめ、若干睨み付けながら付け加えた。
「あ…愛してる男を、失くしたくないという気持ちもわかれ…!!」
「!?え…あ……」
彼が「そういうことか」と言わんばかりに顔を赤くして口をぱくぱくとさせる。最近彼のこんな顔が見れる機会が増えて 心臓が高鳴るのは自分だけではないと謎に安心したり、逆に 他の誰にでもこんな顔をするのかと急に不安になったりと彼女は精神的に不安定である。
小さな時誰でも一人くらいは好きになった人物が、自分以外の女(もしくは男)と仲良く…更にはその人物が友達と話しているだけで嫉妬してしまったり 好きな人と同じ性別になれたらと悩んだり…そんな経験があるはずだ。生まれついたその瞬間からそれが本能として芽生えているのだから。
そう、それは生理的欲求として何もおかしくはない。だがその中には歪んだ愛情を持つものもいる。彼女の場合は純粋にいとおしいと思っているから その好きな人物との〜…などが小刻みに起こっているような…そんな不安定な状態が続いてるのだ。
話が横道にそれている様な気がするが、簡単に言えばAが今精神的に壊れやすいということ。
考えてみるといい。もしあなたの周りに女性が一人…いや、二人いたとする。自然と話さなければならなくなれば無論大抵の人間は好みの人間を選ぶだろう。その人がもし精神的に不安定なのにそれを知らず「何か暗くない?」などと口にしてしまえばそれが最後、殺人者擬きだ。地雷を踏む馬鹿野郎だ。
どうだ、危ないであろう。
何故今彼女がそんな状態なのかと言えば幼少期に好きになった男に浮気されたのが関係している。というかモロにそれだ。
心のどこかで不安を拭えないでいる。
「………一人に、しないでくれ」
一見寂しがりな可愛らしい女性だが訳が違う。
「あ………一緒に、攻略するか………………?」
そしてこれはちっともわかっていない馬鹿。
だが下手な選択肢よりはましだ。
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阿呆代表の神(プロフ) - シンドバッドの冒険は漫画のタイトルです。「シンドバッドの冒険書」だと思います。 (2020年9月7日 16時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
阿呆代表の神(プロフ) - これはどちらでもいいと思いますが、態々女子(おなご)と言わなくても、乙女などと言えばいいと思います。いちいちすいません。 (2020年9月7日 16時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
阿呆代表の神(プロフ) - 魔力操作は気のようなもの、空を飛ぶのは…私はよく分からないですが、風魔法辺りかなと思います。詳しく知りたいなら調べましょう。魔導師ならまだしも、魔力操作を使える人でも、魔導師じゃなければ空は飛べませんので、魔導師以外の人が空を飛ぶのは可笑しいです。 (2020年9月7日 15時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
阿呆代表の神(プロフ) - 魔力操作では空を飛べませんよ。飛ぶのは魔法です。 (2020年9月6日 22時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
月影みこと(プロフ) - 質問です。このお話は原作何年前のお話なんでしょう?シンドバッドが19だから10年前ですか? (2016年3月13日 4時) (レス) id: 456fd0dd8b (このIDを非表示/違反報告)
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