第五十四夜 無為。 ページ23
「そろそろ離れたらどうだ、A………」
あれから三十分ほどドラコーンの尻尾に抱きついている彼女にシンドバッドが恐る恐る言うも、返事がない。
どうしたことかと彼女にこちらを向かせると 気持ちが良さそうに眠っていた。
「んっ………」
「───やれやれ」
困った姫君だ、とシンドバッドが彼女を姫抱きにする。部屋まで連れていくから、と彼が言うと 八人将が全員解散し、ジャーファルが「呉々も間違いを起こさないように」と年を押した。
「間違いなんて起こさないさ。仮にも彼女は王女だ 面倒事は避けるよ」
「…………シン、彼女まで、利用するつもりなのですか?」
「─────さあな。だが、俺が彼女を愛する気持ちは虚構ではないぞ」
ジャーファルは瞳を伏せ「そう、ですか」とやや顔に影を作りながら答える。
シンは手をひらひらとさせながら扉を開け 彼女の部屋まで歩き出した。
───
──
─
「ん………っ……?」
彼女が目を覚ますと、隣に彼が眠っていた。胸の辺りに置かれている彼の手の位置がかなり気になるが 彼も気持ちが良さそうに寝ているため強く言えない。
ゆっくりと起き上がると、自分の格好に目を丸くする。
「ｯｯ！！？」
焦って頭の中が整理できない。
彼女は裸体の上にバスローブを着ているだけ。おい、と隣に眠っている男を起こした。
「何やってんだ?そんなに焦って……」
「焦るに決まってるだろ！な、何した………!!?」
「何って………？」
これだ！！と自分の体を指差す。
「??あ、格好のことか」
「それ以外何があると言うのだ!!」
「安心しろ、見てないから。やったのはヤムライハだ。もう夜が明けそうだったからな」
「ひ、昼に寝たのに………まさかそんなに寝てるとは……」
彼も若干頬が赤く、なるべく此方を見ないようにしているのがわかった。
彼女が話し掛けてきた為前を向くと、角度的に彼女の谷間が自然と覗き 彼は全力で反対側を向く。
「き、着替えたらどうだ」
「あ…す、すまん………」
妙に気まずい雰囲気が流れた。
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阿呆代表の神(プロフ) - シンドバッドの冒険は漫画のタイトルです。「シンドバッドの冒険書」だと思います。 (2020年9月7日 16時) (
レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
阿呆代表の神(プロフ) - これはどちらでもいいと思いますが、態々女子(おなご)と言わなくても、乙女などと言えばいいと思います。いちいちすいません。 (2020年9月7日 16時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
阿呆代表の神(プロフ) - 魔力操作は気のようなもの、空を飛ぶのは…私はよく分からないですが、風魔法辺りかなと思います。詳しく知りたいなら調べましょう。魔導師ならまだしも、魔力操作を使える人でも、魔導師じゃなければ空は飛べませんので、魔導師以外の人が空を飛ぶのは可笑しいです。 (2020年9月7日 15時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
阿呆代表の神(プロフ) - 魔力操作では空を飛べませんよ。飛ぶのは魔法です。 (2020年9月6日 22時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
月影みこと(プロフ) - 質問です。このお話は原作何年前のお話なんでしょう？シンドバッドが19だから10年前ですか？ (2016年3月13日 4時) (レス) id: 456fd0dd8b (このIDを非表示/違反報告)
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