11:暗闇から鮮やかな照明で彩る舞台は、花畑の様だ ページ18
全員の視線を浴びながら、百さんは軽やかにターンし、可愛らしいポーズを決めた。
「僕は百…でも、僕もそれはお仕事用の名前なんだよ♡ホントの名前は…トド松☆」
またしても驚くべきカミングアウト。私との触れ合いは仕事の範囲らしい。
『トド松さん…ですか』
「えーっ、トッティーって呼んでよー♡」
やはりレベルが高いことを言う人だ…私はあまり人との関わりが得意な方で無い。
『と…トッティー、さん…』
これが限界…。
「じゃあ、トド松でいいよっ」
わざとらしい脹れっ面を見せて…と、トド松…は、私から視線を外した。
「えーっと、僕は主に皆のサポーターで非戦闘員だよ♡パートナーはイタ松兄さん！よろしくね☆」
「ン〜？トド松、俺はイタ松兄さんじゃなくて…」
「質問あるかな？何でも聞いてね♡」
架羅さんがパートナーということと、非戦闘員なことと、あざといこと。トド松の情報はまとまりやすかった。
ここで十四松と比較して、気づいたことを質問として聞いてみることにした。
『トド松って、やっぱり能力が無いんですか？』
するとトド松は、待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべた。やはり、世間と時空が違うらしい。
「そーだなぁ、うーん…無いかなぁ？」
クスクスと焦れったい言い方をしながら、片手に持つスマホを口元に近づけた。こういう、場所に適応する力を持つのは羨ましい。私はこのタイプが随分苦手だ。
『え…無いですか…？』
動揺してもう1度尋ねると、更に可笑しそうに笑っている。周りに少し助けを求めたが、誰も彼を止めようとしない。いや、出来ないのかもしれない。
「ん〜…じゃあ、無いってことで☆」
流石に有りそうだが、隠されてしまった。でも彼らとはそこまで親しまないだろうから、もういい気がしてきた。
「嗚呼、じゃあトド松の次は俺が…」
架羅さんが自ら手を挙げる。しかし、その手は一瞬で振り下げられた。
「まだ僕の終わってないっ！」
「グハァッ…!!」
バキッと快感な音が部屋を響かせ、架羅さんは腹に蹴りを受けた。トド松は中央の机を飛び越え、ほぼ対象な場所に居る架羅さんに脚を向けたのだ。的確で滑らかな動きに、思わず感心してしまった。
「いっ…痛いぞブラザァ！」
「うるさいなぁ」
泣きながら講義する架羅さんを背に、トド松は自らの座席に戻る。そのとき、トド松はとても満足気な笑みを浮かべていた。トド松は、架羅さんに興味を向いてたいようだ。
ふと架羅さんを見ると、少し睨んでいるように見えた。
続く (更新停止中)
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作者名：しおんの蜂蜜 x他1人 | 作成日時：2018年1月18日 14時
