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孤独 ページ43

「ふふ、入っても良いの?」
「拙者、実は一人で活動してるんでござる。だから大歓迎でござるよ!」
忍くんはにっこり笑ったが、僕にはどこか寂しい笑顔に見えた。
「一人で?」
深入りするのも良くないかと危ぶまれ、発言を追及は控えようと思ったはずなのに、つい言ってしまった。僕は中学の頃からどうにも孤独にひかれてしまうようだ。
忍くんは聞き返しに頷いた。

「じゃあ、これからは二人だね?」
まるで影羽と仲良くなった時のようだ。寂しそうな横顔を見逃せなくて、手を差し伸べてしまう。こんな事をしても救われる人はたった一人だけなのに。
「……っ!」
考えを余所にまた笑顔を振り撒いていると、忍くんはぱあっと顔を明るくさせた。

まあ、嬉しそうだから良いか。
僕は忍くんの頭を優しく撫でた。

面談の時間が惜しくも終わってしまい、放課後の活動に再度会う事を約束して忍くんと別れた。

さて、次は凛月くんだったな。
いったい何の質問をするのだろうか。
まあ勘繰っても仕方がない。その前にドリンクでも買ってこようかな。ちょうど面談までは時間がある。僕はゆっくりとした足取りで購買付近の自販機へ向かった。

「シークのお兄さんか!ああ、早く俺も会いたいな!」
「ああもう、こんな近くでそんな大声出さないでよねぇ?」
「体育後にこの元気ってもりっち何者?」
「はっはっは☆ヒーローだからな……!」

一人歩いていたところ、向こうから移動教室らしい三人の学生が話して歩いて来るのを見つけた。豪快に笑う元気な子を挟んで、呆れる様子の二人が横に並んでいる。
なんだか勇我と二人のカナンのようだ。微笑ましさが込み上げてきた。

あ、左のカナン(仮)は写真家志望と思われる泉くんだ。
挨拶も無しに通り過ぎるのは流石に冷たいかと思い、少し声をかけようとした。が、

「あ、うわ、ジゼルさんじゃん!もりっち、ジゼルさんだよ!」
「おお!なんて奇跡なんだ!こんにちは、俺、守沢千秋っていいます!会えて嬉しいです!!」
「ちょっと守沢!そんなテンションで話しかけたら流石に引く……」

先に話しかけられた。勇我(仮)から見事昇格した千秋くんは、友人の呆れを気にする様子もなく、僕に手を差し出し握手を求めた。

「ありがとう、僕は青海ジゼルです。千秋くんだね」
よろしく、と言おうとした瞬間、電流が流れるような感覚に襲われた。

僕はこの子に以前、会ったことがある……?

ヒーロー→←手裏剣



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流離いのsecret(プロフ) - ぎゃぁぁ本当だ……!ご指摘ありがとうございます! 細かいところまで読んでいただき嬉しいばかりです笑 (今後気を付けます笑) (2019年7月13日 22時) (レス) id: 451ca50573 (このIDを非表示/違反報告)
しか - ごめんなさい。「混沌」でした!! (2019年7月13日 21時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
しか - 「悩み」の話の「敬人」が「敬斗」になってますよ(コソッ面白かったです。これからも頑張ってください! (2019年7月13日 20時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
流離いのsecret(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります!(語彙力ない)笑 (2019年6月24日 14時) (レス) id: 451ca50573 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 面白いです(語彙力ない) (2019年6月23日 21時) (レス) id: 19c16fa711 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:流離いのsecret | 作成日時:2019年5月2日 14時

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