11.迷子 ページ12
グラウンドに来たのはいいんだが…。
「ここどこ?!!!」
絶賛迷子なうでした。
ー
朝だったか昼だったか、成宮くんに野球部の見学に来いと言われた。
言われた通り、見学に来た。だけど、見事に誰も居ない。
「ここ…稲実の敷地の筈なのに…」
不安でいっぱいになる。
さらに高2になって迷子。これはやばい。
泣きたくなってくる。痴態を晒した挙句、さらには迷惑までかけてしまう事になるのか。
私、最低だ…。
「あ、居た!」
後ろから走ってきたのは、成宮くんだった。
「良かったあ…見つかって」
「成宮くん!私てっきり、迷子になったかと思った…!」
「もしかして、方向音痴?」
「違う!」
「じゃあ、行こっか」
そう言われて、手を差し出された。
それに戸惑っていると「折角連れてってあげるのに」と成宮くんが膨れたから、慌ててその手を握った。
成宮くんは手を引っ張って、どんどん進んでいる。
こうしてみると何だか、恋人みたいだなって思ったけど即首を振った。
恋人同士になれる訳がないじゃないか。成宮くんと私。明らかに不釣り合いだ。
成宮くんにはもっと…。
とそこまで考えていたら、何故か胸が締めつけられるように痛くなった。
「ほら、ここだよ。…あ、京華ちゃん!一ノ瀬さんが見学に来たから、ちょっと一ノ瀬さんと一緒に居てあげてよ!」
「はぁ?!なんで急に…ていうか先輩、無理やり連れてきたんじゃないんですか?」
「え?ちょっと見学してって言っただけ」
「それ、ダメじゃないですか!事情も聞かずにそんな事…」
「だ、大丈夫だよ京華ちゃん…私も見てみたいなって思ったし」
「それならいいんですけど…」
「おい鳴、いつまでサボってんだ」
「雅さんちょっと待ってよ!」
「お前の待ってはなげぇんだよ。ほら行くぞ」
「雅さんのけーち…」
「誰がケチだ!」
不貞腐れながら、成宮くんは去っていった。
その後に、京華ちゃんは何度も私に謝った。
「本当にすみません。成宮先輩があんな事を言っちゃって…」
「ううん、大丈夫だよ。京華ちゃん、今日はゆっくり見学するね」
「はい」
周りを見渡してから、前方に進もうと足を勧めた。
「ひっ…いやああああああ!!!!」
謎の断末魔。
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希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます、全く更新出来てなくてごめんなさい|ω・`) (2015年7月1日 16時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - 頑張ってください (2015年7月1日 6時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます!ちゃんと鳴ちゃんおちなので大丈夫ですよ!物語の展開はここからです(´∀`*) (2015年5月3日 18時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - え・・・鳴違う子の方にいっちゃうの↓ すいません鳴大好きなものでして、いつも楽しみにしています! 続き楽しみです。頑張ってください! (2015年5月3日 18時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
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