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それぞれの一歩 ページ8
ロングの髪をボブにした日に、少し前から停滞期に入っていた彼氏に振られた。
いつもの土手を歩きながら、「土手は私を守ってるんだな」と、いつものセリフを吐いて川を眺める。
やっぱり今日は違う響きだ。
「あ〜あ！どこ行ったぁ？」
どこかの高校の野球部の男の子が、どうやらボールを探しに来たようだ。
走って土手を駆け上がり、私に気づいて露骨にギョッとすると、彼はバツが悪そうに目を逸らす。
わー、恥ずかしい。
腫れた瞼を隠して通り過ぎようとすると、「あの！」と、呼び止められた。
「バッサリっすね。でも、土手が守ってマス…」
遠くで呼び声がする。
彼は「今行く！」と答えて踵を返したが、しつこく何度も呼ばれていた。
私のこと、知っててくれたのかな？
ありがとう。
ミユキくん？
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作者名：ほさつ1秒83 | 作者ホームページ：https://twitter.com/hosatsu1_83
作成日時：2020年11月15日 2時
