検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:27,348 hit

世界は二人の為に/日.吉 ページ3

耳をつんざくような歓声が、今日も今日とてテニスコート一帯を包み込んでいる。いや、包み込むというよりは圧迫している、といった方が良いだろうか。兎に角、心地の良いものでは無い。
歓声、時折スマッシュの音。そんな騒々しい環境に、我がテニス部は慣れきっているようだ。…………帽子をかぶっている先輩などは、未だにその視線に不慣れなのか、動きに落ち着きがないが。







「絶ッ対……ぶっ倒してやるッ!」



それでも平然と独特のフォームに磨きをかけようとラケットを振る日吉若という男は、やはり何処か人とはズレている。それは、他の人よりも自らに注がれる視線が少ないからなのか──、元より興味が無いのか。よくわからないから、そんな彼が少し苦手だ。








「……日吉君、スポドリどうぞ」


それでもマネージャーとしては、部員が汗をダラダラ流している姿を見過ごすわけにもいかないので、タオルとスクイズを差し出す。彼は、動きを止めてこちらを横目で見た。……感じ悪っ!






「…………ありがとう。一応礼を言っておく」

同い年、ということ以外に共通点が無い私達は、どうしてもよそよそしく気まずい。それにしても、何なんだコイツは!他の二年生はもっと優しいのに!鳳君なんて「お疲れ様」と労ってすらくれるというのに!







「汗、凄いけど。大丈夫?フラフラしたりしない?」
「大丈夫だ。これくらいでへばってるようじゃ、テニスはできない」
「……そっか、」

▲→←▲



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
66人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紫梦(プロフ) - メロンさん» 作業用に仁王君の曲探してたら見つけました。とても良い曲でした!笑 ほんとにリクエストに沿えてるか不安でしたが、そう言って頂けて嬉しいです。リクエストありがとうございました!よろしければまたリクエストお願いします。 (2018年8月31日 22時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - Fake聞きながら、描いたんですね笑。可愛かったです!リクエストありがとうございました!また、機会があればよろしく御願いします! (2018年8月31日 22時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 了解です!できるだけご期待に添えられるように頑張ります。少々お時間頂くかもしれません…! (2018年8月26日 8時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 紫梦さん» では、お言葉に甘えて…。初で奥手な仁王くんがみてみたいです~(^w^) (2018年8月26日 2時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 世界観だなんてそんな…!私には勿体ないくらいの褒め言葉です…ありがとうございます!仁王くんですね、了解致しました!なにか設定やシチュなどのリクエストあればお願いします〜前の仁王君と被るといけないので! (2018年8月25日 21時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紫梦 | 作成日時:2018年7月31日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。