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彼は人差し指を立てて、私の口を優しく牽制した。何も言えずにいると、彼は淋しげに眉を下げて微笑む。その笑みに、不覚にもドキリとした。





「僕に何か隠してるんでしょ?教えて」

勝てないな、と思った。騙してはいけない気がした。そんな顔はさせたくない。溢れようとする感情を整理しながら、拙くも何とか伝えようとする。






「……淳先輩、格好良くて。先輩が勝ったのも嬉しくて。…………でも、何だか、遠くて、別人みたいに見えたんです。……ごめんなさい」

自分でも何を言っているのかよく分からない。けれど、紡いでく言葉の一つ一つに、思いを乗せられたとは思う。
反応が怖くて、顔を見れなかった。もしかしたら、引かれたかもしれない。そう考えると、やはりどうしても顔を上げられない。









「……馬鹿じゃないの」

びく、と肩が跳ねた。でも、次に訪れたのはキツい言葉でもなんでもなくて。






「…………何だ、格好良いところ見せようと思ったのに逆効果だったのか」
「せ、先輩……、?」
「……僕を見て」

試合後の彼の身体は、暖かかった。抱きしめられている、と気づいたのは、数秒あと。彼の言葉にゆっくりと顔を上げる。
──と同時に、額に触れる、別の温もり。









「………………へ、」
「ね?僕はちゃんとここに居るじゃない」

彼の顔が、少し額から遠のく。そして、身体から完全に、彼の温もりが無くなった。









「ほら、一緒に帰ろうよ。……待っててくれたんでしょ?」


意地悪に笑って、私の不安など簡単に吹き飛ばすから。

────やっぱり、私は。



---
木更津淳が宍戸並に好きです。
最初は過去に書いたものを置いていきます。

世界は二人の為に/日.吉→←茜色ノスタルジー/木.更.津.淳



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紫梦(プロフ) - メロンさん» 作業用に仁王君の曲探してたら見つけました。とても良い曲でした!笑 ほんとにリクエストに沿えてるか不安でしたが、そう言って頂けて嬉しいです。リクエストありがとうございました!よろしければまたリクエストお願いします。 (2018年8月31日 22時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - Fake聞きながら、描いたんですね笑。可愛かったです!リクエストありがとうございました!また、機会があればよろしく御願いします! (2018年8月31日 22時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 了解です!できるだけご期待に添えられるように頑張ります。少々お時間頂くかもしれません…! (2018年8月26日 8時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 紫梦さん» では、お言葉に甘えて…。初で奥手な仁王くんがみてみたいです~(^w^) (2018年8月26日 2時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 世界観だなんてそんな…!私には勿体ないくらいの褒め言葉です…ありがとうございます!仁王くんですね、了解致しました!なにか設定やシチュなどのリクエストあればお願いします〜前の仁王君と被るといけないので! (2018年8月25日 21時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫梦 | 作成日時:2018年7月31日 21時

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