30 課題 ページ31
Aside
茨くんを説得させてから数週間後。
すっかり私は日和とジュンにより馴染み、玲明学園男子寮にも上手く入れるようになった。
それはそれでどうかと思うけど、最近は女子だと分からないように男装カツラ被ってみたり、パーカーのフード深めにしたり、上手く誤魔化している。
今日もいつも通りに学校から帰ると日和とジュンがいた。
「今日はいつもより遅かったね」
日和は私の被ってるフードをずるりと下ろし、髪の毛を整えてくれる。
さすが、Edenの長男…相変わらず面倒見がいいというか…。
だったらもっといろいろやってもらいたいんだけどね。
「うん、少しね」
日和に出迎えられてると、部屋の奥からうめき声みたいなのが聞こえる。
「はぁああ〜、どうしたらいいんすかねぇ…おひいさん、もっとオレを助けてくださいよぉ」
「そんなの知らないね、自業自得だねっ」
「…どうしたの?」
ジュンは頭を抱え、シャーペンの芯を出し入れして落ち着きが無い。
日和はそれを面白がっているのか呑気に紅茶を飲んでいる。
「Aさ〜ん、この課題、訳分かんなくて…」
「ジュンくんったら情けないよね」
「何言ってんすか、おひいさん教えてくれもしないくせに…」
一体なんの課題だろう。
手を洗い、身の回りを整えてからジュンくんの隣の席に座る。
「これです…」
ジュンくんはすっとプリントを差し出した。
目に入ってきたのは『創作ライブ』というものだった。
ジュンくん曰く、自分が輝けるライブを具体化してレポートにまとめろというものだった。
先生はこのプリントでそれぞれのアイドルの個性特性をチェックし、
自分自身を理解しているのかを見るものらしい。
「特待生だからって、鬼畜っすよぉ〜…」
「大変だねぇ、ジュンくん♪」
「他人事だからって…」
難しい課題を出すんだなぁ…。
アイドル育成学校に私も通ってるけど、アイドル側でもそんな課題あるなんて。
「オレらしさって何なんですかねぇ…、オレ、おひいさんにずっとついてきたから…」
「ジュンくんしっかり自分の立場分かってたんだね?いい子いい子…♪ジュンくんはぼくについてくしかないんだからね…♪」
日和は私にも紅茶を入れてくれた。
紅茶を飲みつつ、うなだれてるジュンの隣で私も一緒に考える。
「ジュンくんその課題いつまで?」
「えっと、一か月後ですけど」
「随分先だね、じゃあ今度のライブしてから考えたら?」
日和はにこりと微笑んだ。
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ふわむにゃ(プロフ) - ゆゆさん» 恐縮です…!有難うございます…(T_T) (2019年4月25日 18時) (レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - めっちゃ面白かったです!おひぃさん好きなのですごく嬉しかったです!これからも頑張ってくださいね! (2019年4月22日 20時) (レス) id: 7a65a72ca7 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» 有難うございます…!更新頑張りたいと思います。(^^ゞ (2019年2月9日 22時) (レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 頑張ってください! (2019年2月9日 21時) (レス) id: e4352aec9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2019年1月27日 1時