【最強メガシンカ】世界でいちばん頑張っている君に～～18th Singularity～～【ポケモンXY特別編】 (ページ48)

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科学の力ページ48

【A視点】

突然のお母さんの登場に、私は動揺を隠しきれなかった。いろんなことが重なってパニック状態だ。
それでも私は階段を上っている。お母さんから一緒に上がれと言われたアランの視線を感じながらお母さんのところに。しばらくしてアランも上りきった。

「やっと、また戦えるわね」

お母さんは私の目をまっすぐ見つめてきた。私は何も言えずにいた。

「勝負は一対一。どちらかのポケモンが倒れたら試合終了。そうそう、あなたのポケモンはちゃんと回復してあげるわ」

お母さんが指を鳴らすと、どこからか機械が空を飛んでやって来た。お母さんは手際よく私のモンスターボールをかっさらうと、その機械にはめ込む。ポケモンセンターの音楽が流れ、機械音声でカイフクカンリョウと読み上げられた。

「これはシトロンくんが発明したどこでもポケモンセンター……っていうのを私が改良したものよ。完全に回復されているはずよ」

確認のためにみんなを外に出してみると、確かにみんなちゃんと回復されている。

「科学の力って、すげぇ」

私の後ろでアランが感嘆する。アランだけじゃない。観客全員が科学の力に感動している。

「さあ、これで準備はできたかしら？私はこの子でいくわよ！」

お母さんが繰り出したのはラグラージ。やっぱり、そうだよね。

「私は……！」

私は5つのモンスターボールを前に突き出し、あの子以外をボールに戻す。

「キッス！！」

「ここは頼むよ、ツドキ！」

対戦相手がお母さんなんて、足が震えちゃうくらいだけど、ツドキとなら大丈夫なはず……！

「あなたたちの力、感じてみたかったの。やっと夢が叶うわ」

お母さんの目が輝いている。久しぶりに見る、あの目。お母さんが本気を出すときの目。

「A、お前たちなら大丈夫だ。応援しているぞ」

後ろからアランが優しく声をかけてくれた。それで少し、心が落ち着いた。

「バトル、開始！！」

審判が高らかに声を上げ、本当にリーグ最後の戦いが幕を上げた。

「ツドキ、エアスラッシュ！」

すぐに無数の風の刃を放つが、ラグラージには全然効いていない。避けようともしない。

「はどうだん！」

これもそのまま受け止められた。普通の攻撃じゃ、ダメージひとつも与えられない。

「甘いわね。ラグラージ、ハイドロポンプ！」

「エアスラッシュで打ち消して！」

ツドキは全力でエアスラッシュを撃ち出すが、ハイドロポンプの威力が強すぎて敵わない。ハイドロポンプが迫り来る。