第十三章 ページ13
一「……お嬢、後ろ向いて」
『え、あ、うん』
一の言う通りに、彼に背を向ける。
すると彼は素直にチャックを上まであげてくれた。
一「……はい、おしまい」
『あ、ありがとう！』
振り返って、ぱあっ、と顔を輝かせて笑うと、一は初めて眉を顰めた。
一「……その顔さ、色んな奴の前でしてんの」
『ん？どうしたの、急にさ』
一「……いんや」
ぶっきら棒に、ぼさぼさの髪を掻き上げると、一は私の露出した背中をつう、となぞった。
『ひ、ひやっ』
一「こんなドレス、お嬢風邪ひくよ……、ただでさえガサツなんだから」
『が、ガサツは余計ですーっ』
一「どーせ、トッティにでも人形扱いされてんでしょ……。
身体第一に考えてよ」
そう言って手渡されたのは、ラベンダー色のふんわりした生地に可愛らしいフリルがついたシンプルなデザインのドレス。
一「……風邪ひいて世話すんのは、どーせクソ松かチョロ松兄さんか俺になるんだし。
後の奴らに料理のスキルとかないからね、トッティは菓子もんは作るけど……」
こつん、と人差し指で額をつつかれる。
一「……無理しないでよ、A」
ト「お嬢―？
まだ着替えてるー？」
そこに聞こえたトドの声。
視線をドアの方にやる。
『あ、うん終わったよ、開けるね！！
一、チャック開けてくれてありがとうこのドレスも』
もう一度後ろを振り返った時、あの気まぐれな紫は姿を消してしまっていた。
――
藍雲、といいます
改めまして、よろしくお願いします
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←第十二章
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
★☆koyuki☆★ - CSSってなんですか？ (2017年6月23日 19時) (
レス) id: 406701cde8 (このIDを非表示/違反報告)
音ゲマスター*^∀^* - どうも・∀・元koyukiの音ゲマスターです。今日初めてこの作品を見ました。やばやばでふ^ρ^なに？元気がないだと？HA☆HA☆HAお腹すいたからだ (2017年6月13日 20時) (レス) id: 406701cde8 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - サクラさん» ハッピーエンド予定ですので、期待しててください! (2017年5月5日 22時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 雛さん» 様と呼ばれるほどの実力はないですって!ありがとうございます、頑張ります! (2017年5月5日 22時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - happyendになって欲しいです！更新楽しみに待ってます！ (2017年5月4日 22時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒兎 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/satisfy15/
作成日時：2017年4月25日 22時
