赤砂のサソリは色が見えない。 (ページ4)

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参色目ページ4

朝食を食べ終わったころにメンバーに声をかけられた

「なんだ、うん？」

「サソリのあれなんだぁ？
　何かいつものアイツと違うみてえだけど」

・・・あぁ色の事か。
まあ適当にごまかして旦那と約束があるからそっちに行かないとな

「あんまり気にするもんでもねぇよ、うん」

「いや気にするだろ
　いつもの冷酷さがない上、色がわからない、だと？」

・・・めんどくせぇな、うん
旦那は待つのが嫌いなのに、うん

「そんなに気になるなら自分で聞けよ、うん」

だが、とか聞こえてくる中、話題の本人が登場した

「おいデイダラ。
　準備はできて・・・何してんだ？」

「気にすることじゃねぇよ、うん
　準備はできてるから行くか？」

メンバーのとこから抜け出して
旦那に近寄る

「なあサソリ・・・・。」

「・・・てめえらに話したくねぇ過去があるように
　俺にもあるってことだ。」

夕刻には帰る。そう告げて旦那はアジトの玄関に向かう
その背中はいつもよりとても小さく見えた

長い廊下で立ち止まった

「...旦那。」

「俺は、色がなくてもいいと思ってる」

震える声でそう言われた

「けど、色がないとアイツがいないことを認めてしまうようで嫌だ
　色があってもアイツのいねえ世界は結局色がないのと同じだ」

アイツ、それは旦那がまだ人間だったころにいた大切で
大好きな女らしい

「俺は、昔からずっと・・・・」

アイツに守られてばっかじゃねぇか

そう呟いて旦那はまた長い廊下を歩きだした。
その時、不意に下を見ると床に赤い雫が
何滴かこぼれていた

「・・・すっげえ強く握ってたもんな、手」

前からいつもの声が聞こえてきたので
旦那のほうに走る

「きっとまた、会えるさ。うん」