ホントノエストニセモノエム【黄瀬涼太】

ピリピリムード ページ43

you 「はぁ・・」





まどか 「・・A。あんた遅刻して来て早々その盛大なため息は何っ！？
辛気臭いからホントやめて」





眉間にしわを寄せてまどかが私にそう言った。





you 「うん・・そ・・だね」





そんな私を見て・・





まどか 「・・だめだ。少しほっとくから脳内修正しろ」





そう言うと・・





まどか 「さてと・・愛しの彼氏様は何してるかなぁ？」





嬉しそうに携帯を眺め始めた。





昨日、私は黄瀬に・・





『止めないで・・』





そう言った。





それを聞いた時の黄瀬は・・





すごく優しくて・・





男っぽくて色っぽい顔を私に見せた。





あの顔が忘れられない。





だめだ・・





完全に頭の中黄瀬の事ばっか。





浸食されてしまった。





いつもならまどかに話しをする。





でも今はまだ誰にも言いたくない。





誰も知らない黄瀬を自分だけが知っている気がして・・





口にしたくないのだ。





ﾓﾌﾞ女子 「おいっ！尾澤−！聞いてるかぁ！」





you 「うわっ！？」





気付いたら目の前にクラスの女子数名。





you 「ごめん・・今気付いた。どした？」





まさか・・





・・黄瀬の事！？





ﾓﾌﾞ女子 「文化祭の事だけどさ、この格好とこの格好どっちがいい？
うちら的にはさ、尾澤には是非・・是非こっちを着て欲しいんだけどね・・」





目の前に出された衣装を見て・・





今まで悩んでいた事が一気に頭の隅へと追いやられた。





you 「そのさ・・こっちを選べ的な衣装の示し方止めろ。絶対それは着ない！断固着ない！」





いくら私がＳキャラだってさ・・





間中 「あははー。尾澤がそれ着てるとこ超見てみたい」





大笑いのみっちゃん。





口を押さえて必死で笑いを堪えてるまどか。





さすがドＳ・・酷い２人だ。





you 「何でその格好？何で鞭まで！ＳＭ女王様かっ！大体、許可下りないでしょ！ったく・・」





ﾓﾌﾞ女子 「そこら辺は大丈夫だって。白衣あるから♪」





・・ほー・・白衣ねぇ





you 「い・や・だ！」





そのすったもんだが結局放課後まで続いた。





ﾓﾌﾞ女子 「尾澤−、いつにも増して顔怖いっての！・・(笑)」





お分かりですか！？





この私のピリピリムードをっ！





間中 「あははー・・ホント尾澤顔怖いっての・・(大笑)」





ああそうですね・・





怖くてホント結構だ！

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