ホントノエストニセモノエム【黄瀬涼太】

溶ける時間 ページ40

何度も重なる唇・・





黄瀬の吐息が私にも聞こえる。





分かってしまうと辛いものだ。





このキスもこの時間も＿＿





黄瀬 「どうした？何で泣いてるんスか？」





・・好きだから





どうしたらいいのか分からない。





こんな時ホントのＳだったらどう行動するんだろう。





you 「なんでもない・・」





こんな気持ち知られたくない・・





そう思ってつい素っ気無い言い方をした私。





ふいっと横を向いた私の顔を自分へ向かせた黄瀬は・・





黄瀬 「切なくて泣くのはだめ。でも・・俺に愛されて泣くのは良いっスよ」





そう言って私をじっと見つめた。





愛されて・・？





黄瀬の顔を見た私は・・





その意味を少し後で理解した。





黄瀬 「ここ・・痕にならなくて良かったっス」





前に黄瀬が噛みついた所・・





今はもう何ともない。





you 「暫く痛かった・・」





ひねくれた言い方をすると・・





黄瀬 「ごめんごめん・・」





謝りながらその唇を・・





この場所へ落とした。





で・・





謝ってはいるけど・・





you 「嬉しそうだね・・」





なんだかとても嬉しそうな顔の黄瀬。





黄瀬 「そう？」





そう言った黄瀬と目があった。





その瞳が怪しく色気を増した。





・・やばい！





そう思った時はもう遅くて・・





チュッと音を立てながら首元にキスをする黄瀬。





you 「ちょっ・・あの・・「黙って」」





黄瀬の手がシャツの下へするりと伸びた。





素早く・・





その手がぱちっとホックを外した。





you 「きき・・「黄瀬？・・お仕置きだね」」





まだ呼んでないっての！





・・呼びそうにはなったけど





そんな事をテンパって考えてたら・・





一気にＴシャツごと私の腕までまくりあげた。





腕に自分のＴシャツが絡まって動きが封じられる。





黄瀬 「・・綺麗っスよ。ココ」





胸の下あたりを指で形取るようになぞる。





黄瀬 「俺の他に誰か見たんスか？・・ココ」





完全に馬乗りになられた私は・・





腕を上にあげたままブンブンと首を横に振った。





黄瀬 「なら良かったっス。見せたなんて言ったら上書きしまくらなきゃいけねっスもんね」





言っている事が分からない！





黄瀬 「少し・・刺激強めっスけど頑張って？・・(笑)」





そう言い終わるか否かで・・





黄瀬の顔が私の胸へと消えた。

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