ホントノエストニセモノエム【黄瀬涼太】

甘えたがり ページ17

相変わらず電車の中は無言の黄瀬。





電車を降り・・





黄瀬に泣き顔を見せたあの公園へと来た。





黄瀬 「休憩ー！」





昼間はちびっこで賑わっているであろうこの公園・・





この時間帯は人気(ﾋﾄｹ)が無い。





黄瀬 「今日もこれで良いっスか？」





私の好きなミルクティーを指差した黄瀬。





you 「あっ・・うん。お金・・「俺モデルっスよ？案外稼いでるっス！」」





こういう笑顔は本当にさわやかで・・





この笑顔にやられる世の女子の気持ちが分からなくも・・ない。





ベンチに腰を下ろすと黄瀬もすっと隣に座る。





その密着度が・・





you 「ちっ・・近くない？」





黄瀬 「そうっスか？」





涼しい顔をしてミネラルウォーターを飲んだ。





黄瀬といる時の私は・・





どうも強気な私じゃなくて・・





素の自分がちらほら出てしまう。





そう・・





強気やらＳなんかじゃない私は・・





甘えたがり・・





構われたがりである。





誤解が無い様にここは強く言いたいが・・





誰に対して甘えたい訳でも・・





誰に対して構われたい訳でもない。





いつか好きな人が出来て・・





その人だけ私の本当の姿を分かってくれたら・・





なんて乙女な妄想を繰り広げている。





黄瀬 「今日は助かったスよ。洗濯までしてくれて。ありがと」





そういって私を覗きこむ黄瀬・・





you 「別に・・黄瀬の為に「黄瀬？」・・じゃなくて・・」





じっと私を見つめる・・





you 「・・涼君」





黄瀬 「良く出来ました・・(笑)」





それにしてもだ・・





ずっと気になっている事を聞いてみる事にした私。





you 「あのさ・・どうして私に構うの？あの日、どうして第二視聴覚室にいたの？」





たまたま行くような所じゃないと思うけど。





黄瀬 「あー・・先に俺が呼び出されたんスよ。ってあいつじゃねーよ？
３年の女子に。で・・まぁ・・色々されそうになったのを説得して帰ってもらって、
ちょーっと休んでたらあいつが入ってきて自分で縛り始めたんスよ。訳分からんと思ってたら、
一人でブツブツ話してたから大体の内容がつかめたってわけっス！」





・・色々されそうにって一体





いや・・考えるのはやめておこう。





そんな事を思っていたら・・





黄瀬 「俺が何されそうになったか教えてあげよっか？」





いたずらな笑顔が私を捉えた。

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